少女の性被害「原因は貧困」 国連特別報告者ブキッキオ氏警鐘
2015年10月27日 琉球新報
【東京】児童の性的搾取の専門家で、国連特別報告者のマオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏が26日、日本の視察を終えて日本記者クラブで会見した。
19日から8日間で沖縄など国内4カ所を視察した。
ブキッキオ氏は
「子どもの性的搾取の主要な原因をまさに沖縄で目の当たりにした。
貧困とジェンダー(社会的性差)意識の不平等だ」
と述べ、
日本政府と県が共同で貧困対策と被害防止のための教育や啓発をする必要があると指摘した。
ブキッキオ氏は東京、大阪、兵庫県川西市に加えて、国内で失業率が最も高く、中途退学も多く、児童買春の被害者が多いとの理由で沖縄を視察地に選んだ。
沖縄について「被害者の90%が女児で、特に崩壊家庭で育った少女が多い。生き残るために性産業以外にないという状況で、原因は貧困だ」と述べた。
「女性の失業率が高い不平等さ、10代の妊娠も際立って高いことも積もり積もって被害を増やしている」と分析した。
また、日本全体の問題として、「援助交際や『JK(女子高生)おさんぽ』など多種な形態があり、最終的に重大な被害を及ぼす行為がある」と指摘した。
その上で、「子どもが被害に遭いかねない事態を受け入れる社会の寛容性、行為を犯した本人を処罰しないということが被害を増やしている」と警鐘を鳴らした。
(児童ポルノ単純所持罪は児童を逮捕するための法律かも)
【児童売春罪と児童ポルノ罪の境目が無くなってきた?】
児童売春犯と児童ポルノ犯の被害者数はそれぞれ以下のグラフのように推移してきました。
これを見ると、警察が認知する「児童買春」被害者が減って来ています。
しかし 、児童買春犯罪と被害者は減って来てはいないと思う。
「石川や浜の真砂はつきるとも、世に盗人の種は尽きまじ」
と思うからです。
そのため、この統計の意味は:警察が児童買春犯人を取り締まらなくなって来ているからだろうと考えます。
(注意)混乱した社会では、治安維持は警察よりも必要悪としてのヤクザに任せる方が良い社会になるということに留意したい。
警察が取り締まらないので、この統計とは逆に児童買春被害者が多くなって来ていると考えます。
(ソース:警察庁の統計サイトの各年度の「少年の補導及び保護の概況」の報告データによる)
また、群馬県の児童買春・児童ポルノ禁止法の送致人員は以下のように推移し、2012年には「児童買春犯」の逮捕が0人になりました。
(ソース: 警察庁の統計サイト の、 「平成24年の犯罪」~ 「平成17年の犯罪」 の、「122 児童買春・児童ポルノ禁止法違反 都道府県別 違反態様別 送致件数及び送致人員」のデータ、及び、各年度の「少年の補導及び保護の概況」の報告データによる)
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(以下のレポートを読むと、やはり、警察の認知数の減少とは逆に、児童買春が増加傾向にありました。)
優等生が危ない!女子高生ビジネスの実態
子どもたちの性が搾取されている
AERA編集部 2016年01月05日
かわいい格好で接客や散歩をするだけ、といううたい文句。
だが、それは危険な性ビジネスへの誘い水だ。
ハードルが下がるなか、被害者に「普通の子」が増えている。
思春期の不安定な心のスキをつく犯罪行為の実態とは。
女子高生(JK)と散歩ができるという触れ込みで、実際はカラオケやレストランなどでデートする「JKお散歩」や、
制服を着た女子高生が個室でマッサージ(リフレクソロジー)を行う「JKリフレ」、
折り紙を折らせて下着をのぞく「JK折り紙」。
ネーミングにお気軽感が漂うが、すべて未成年による売春の温床になっている。
児童買春や児童ポルノの被害者救済に取り組むNPO法人「ライトハウス」代表の藤原志帆子さんはこう警鐘を鳴らす。
「接客やマッサージといっても、実態は客の性的好奇心に応じるものがほとんど。
たくさんの子どもたちが強姦や買春被害に遭っている」
2004年の活動開始以来、のべ4000件、電話やメールで相談を受けてきた。
2015年は売春やポルノを強要される人身取引被害者の支援を80件行ったが、これは前年の倍以上になる。
被害者数など実態調査を国に求めているが、まだ動きはない。
ここ数年で目立つのは、「ごく普通の」高校生が被害に遭うケースだという。
「家庭環境に問題がある子が多いのは変わらないが、
一方で何の問題もなさそうな家庭の子、進学校や有名私大の付属高校に通うような女子が、親に言えず相談してくるケースが目につくようになった。
彼女たちにとって性的なビジネスへのハードルが下がっているのではないか」(藤原さん)
(当ブログのコメント)
児童が暴力団等に搾取されずに児童本人がほぼ単独で児童買春犯罪に関与している状況では、警察の介入は困難だと納得しました。
(1)しかし、警察は児童売春の逮捕を止め、代わりに、児童ポルノ罪で逮捕しています。
児童ポルノ罪で大人や児童を逮捕すると、逮捕される児童には罪を自覚させにくく分かりにくくなっていると考えます。
警察が児童買春で児童を逮捕するのを止めて来ているので、
児童が児童買春の被害を受けやすくなっていると考えます。
(2)また、児童の貧困が児童の非行への入り口を開いていると考えます。その非行への入り口を構成する社会システムが、貧困というわけでもない家庭の子も非行化させていると考えます。
社説[子の性被害と貧困]「負の連鎖」断つ施策を
2015年11月2日 沖縄タイムス
児童ポルノや児童買春の調査で来日した国連特別報告者のマオド・ド・ブーア・ブキッキオ氏は記者会見で、日本の子どもの貧困が世界的に見ても深刻な状態にあることを示した。
欧州評議会事務次長を務めた経験を持ち、性的虐待から児童を守る条約採択などに関わってきたブキッキオ氏。
先進7カ国で唯一、児童ポルノ所持を規制していなかった日本でことし7月、改正児童ポルノ法が施行されたことを受け、現状を調査するため10月19日に来日した。
ブキッキオ氏が今回調査地として選択したのは、東京など3カ所と那覇市だ。
沖縄を選んだ理由を「首都の状況だけでは全体を見ることはできない。
失業率や貧困率が高い沖縄に関心があった」と説明した。
8日間の調査を終えて日本記者クラブ(東京)で会見に臨んだブキッキオ氏は「援助交際」「JK(女子高校生の略称)お散歩」と呼ばれる子どもの性を売りにした形態が日本にはいくつもあると指摘した。
これらは子どもの性被害と直結しやすく「(日本には)こういった事態を受け入れてしまう社会の寛容性があるのではないか」と語った。
印象的だったのは、ブキッキオ氏が「子どもの性被害の主要な原因を沖縄で目の当たりにした」と語ったことだ。
それは「貧困」と「ジェンダー(社会的性差)不平等」であるという。
同氏は、子どもの貧困と性被害の関わりの一例として、家族のアルコール乱用が起きたために、いたたまれず家出を繰り返す少女が、生きるため性産業にたどりついた事例を挙げた。
■ ■
ジェンダーとの関係では、沖縄の失業率で、特に女性の失業率が高いことを指摘。
そうした状況と沖縄での10代の妊娠・出産の多さが、子どもの貧困につながる「負の連鎖」を生み出しているとした。
ブキッキオ氏が指摘する妊娠・出産の若年化はここ数年全国でも顕著な傾向を示している。
厚生労働省の統計によると19歳以下の出産は1985年1万7877人をピークに2013年は1万2963人に減少したが、
同じ時期の14歳以下の出産は23件から51件へ倍増した。
15歳以下の人工妊娠中絶も12年度までの5年間で150件増え1476件となった。
この傾向は、全国で格差・貧困問題が表面化した時期と重なるが、
日本では子どもの性被害と貧困問題が関連付けられた個別のケースは散見されても、
公的データは現在までに見当たらない。
■ ■
ブキッキオ氏は「(子どもの性被害の撲滅には)根源的な原因究明が必須であり、それは日本政府と沖縄県の共同の責任であると思っている」と強調した。
性被害の根底にある貧困問題に目を向けよ、とのメッセージである。
性被害は、受ける被害の重篤さから「魂の殺人」ともいわれる。
子どもの貧困を背景にそうした被害が繰り返されることは、何としても止めなければならない。
実態を把握し、「負の連鎖」を断つ施策が急がれる。
(当ブログのコメント)
以下でもう少し貧困の影響を考察した結果、貧困自体+貧困に対応する政治の嘘が、青少年の心を荒らすと考えます。
2009年以降に、小学生の暴力爆発もある。
(このグラフの元データは、警察庁の生活安全の確保に関する統計の、各年度の「少年の補導及び保護の概況」の報告による)
(仮説1)小学生の親の2009年以降の家庭経済悪化が児童の虐待・抑圧を生み、その抑圧が児童の心を荒らしている可能性がある。
(仮説2)しかし、親の家庭経済悪化は過去にもあり2009年以降が特別というわけでも無い。
「貧困=不幸」というわけでは無いからです。
2008年は、携帯フィルタリングに関連する青少年の逮捕件数急増の分岐点である。2008年からの携帯フィルタリングが青少年を抑圧する特別な分岐点と考える。
小学生の暴力爆発の原因は携帯フィルタリングの蓋然性が高い。携帯フィルタリングの抑圧が貧困の影響以上に児童の心を荒らしている蓋然性が高い。(安倍内閣には、以前(2007年)からこどもの貧困の問題が指摘されていました。その指摘への応答結果が以下のグラフです。)
(こどもの貧困率の逆転現象)
子どもの貧困率は、世界的な経済状況よりも、国内の政策という人為的かつ意図的なものに左右される度合いの方がはるかに大きい。これを示すのが、上の図である。
上 図は、先進諸国における子どもの貧困率を「再分配前」(就労や、金融資産によって得られる所得)と、それから税金と社会保険料を引き、児童手当や年金など の社会保障給付を足した「再分配後」でみたものである。再分配前の貧困率と再分配後の貧困率の差が、政府による「貧困削減」の効果を表す。
先進諸国においては、再分配前に比べて、再分配後には貧困率が大幅に減少している。つまり、政府の再分配政策(税制や社会保障制度など)によって、子どもの再分配前の貧困率を、大きく削減している。
この図の衝撃的なところは、日本が、OECD 諸国の中で、唯一、再分配後の貧困率が再分配前の貧困率を上回っている国である。つまり、日本の再分配政策は、子どもの貧困率を削減するどころか、逆に、増加させてしまっているのである。
(仮説)この嘘が存在する方が、貧困の存在よりも青少年の心を荒らしていると考える。
青少年の思想善導により青少年の性を政治が支配するのは健全化に効果が無く、政治の健全化こそが青少年の健全育成に効果がある。
こどもの貧困については、安倍内閣には以前から、以下の様に、こどもの貧困の問題が指摘されてきました。
2007年2月13日、日本共産党の志位和夫委員長が、衆院予算委員会での総括質疑で、子どもの中での貧困の広がりを指摘し、「成長の可能性をはばむだけでなく、貧困が次世代に引き継がれる危険をつくりだしている。日本の未来にとって重大な問題だ」と、安倍晋三首相を問いただした。
志位氏は、経済協力開発機構(OECD)の報告書をもとに、平均的所得の半分(貧困ライン)以下の家庭で暮らす子どもの割合が、OECD諸国平均を上回る 14・3%にのぼると指摘。とくに母子家庭・ひとり親家庭では貧困ライン以下の家庭で暮らす子どもの割合が57・9%にものぼり、平均の三倍近くになるこ とを明らかにした。
安倍首相は「貧困が再生産される日本にしてはいけない」と答弁した。
志位氏は、子どもの貧困に向き合う政治の責任として、予算のあり方と最低賃金の問題を取り上げた。
志位氏は「税制と社会保障で所得の再分配をおこなうことが予算の役目だ」と指摘。ところが、日本では税制と社会保障によっても子どもの貧困率が逆に1・4%高まるという逆立ちぶりを浮き彫りにしたグラフを突きつけた。
志位氏は、所得の低い母子家庭に対して子どもが十八歳になるまで支給されている児童扶養手当の大幅削減を政府がすすめようとしていることを批判し、
生活保護を受けている母子家庭への母子加算の段階的廃止を政府がすすめようとしていることを批判し、
「母子家庭の『命綱』を二本ともたち切ろうとする冷酷な政治だ。
中止を強く求める」と要求した。
母子加算の段階的廃止について、安倍首相は「生活保護を受給している世帯と、していない世帯との公平性をみないといけない」とのべた。志位氏は「懸命に 生きている母子家庭から母子加算を取り上げるのではなく、必死に働いても生活保護水準以下の暮らししかできない母子家庭の水準を引き上げるために心を砕く ことこそ、本当の公平性だ」と厳しく批判した。
最賃の抜本的引き上げを
さらに志位氏は、貧困の広がりの土台に世界でも最低水準の最低賃金があるとして、「最低賃金で働いても貧困にならない社会を目標にし、最低賃金を労働者の平均的所得の五割にすることを目標に掲げるべきだ」と求めた。
安倍首相は「中小企業を中心に事業経営が圧迫され、雇用が失われる可能性が高い」と答弁。
志位氏は「中小企業の経営を圧迫するというなら、無法な下請けいじめをやめさせることこそ必要だ。
最低賃金の抜本引き上げを中小企業の経営を応援する政治と同時並行ですすめるべきだ」とのべた。
その上で、「貧困と格差を土台からただしていくために、最低賃金を抜本的に引き上げ、全国一律の制度とすることを強く求める」と強調した。
志位氏は、経済協力開発機構(OECD)の報告書をもとに、平均的所得の半分(貧困ライン)以下の家庭で暮らす子どもの割合が、OECD諸国平均を上回る 14・3%にのぼると指摘。とくに母子家庭・ひとり親家庭では貧困ライン以下の家庭で暮らす子どもの割合が57・9%にものぼり、平均の三倍近くになるこ とを明らかにした。
安倍首相は「貧困が再生産される日本にしてはいけない」と答弁した。
志位氏は、子どもの貧困に向き合う政治の責任として、予算のあり方と最低賃金の問題を取り上げた。
志位氏は「税制と社会保障で所得の再分配をおこなうことが予算の役目だ」と指摘。ところが、日本では税制と社会保障によっても子どもの貧困率が逆に1・4%高まるという逆立ちぶりを浮き彫りにしたグラフを突きつけた。
志位氏は、所得の低い母子家庭に対して子どもが十八歳になるまで支給されている児童扶養手当の大幅削減を政府がすすめようとしていることを批判し、
生活保護を受けている母子家庭への母子加算の段階的廃止を政府がすすめようとしていることを批判し、
「母子家庭の『命綱』を二本ともたち切ろうとする冷酷な政治だ。
中止を強く求める」と要求した。
母子加算の段階的廃止について、安倍首相は「生活保護を受給している世帯と、していない世帯との公平性をみないといけない」とのべた。志位氏は「懸命に 生きている母子家庭から母子加算を取り上げるのではなく、必死に働いても生活保護水準以下の暮らししかできない母子家庭の水準を引き上げるために心を砕く ことこそ、本当の公平性だ」と厳しく批判した。
最賃の抜本的引き上げを
さらに志位氏は、貧困の広がりの土台に世界でも最低水準の最低賃金があるとして、「最低賃金で働いても貧困にならない社会を目標にし、最低賃金を労働者の平均的所得の五割にすることを目標に掲げるべきだ」と求めた。
安倍首相は「中小企業を中心に事業経営が圧迫され、雇用が失われる可能性が高い」と答弁。
志位氏は「中小企業の経営を圧迫するというなら、無法な下請けいじめをやめさせることこそ必要だ。
最低賃金の抜本引き上げを中小企業の経営を応援する政治と同時並行ですすめるべきだ」とのべた。
その上で、「貧困と格差を土台からただしていくために、最低賃金を抜本的に引き上げ、全国一律の制度とすることを強く求める」と強調した。
母子家庭の原因の離婚の原因は貧困
を参照。
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