Q2 共謀を処罰するとどうなるのですか。
2003年12月
自由法曹団
警察問題委員会
治安維持法による言論弾圧
2003年4月15日、最大の言論弾圧事件といわれる横浜事件について再審開始決定が出されました。
一連の事件のきっかけは、リベラリストの細川嘉六が出版記念に関係者・友人を招待したときの記念写真から、その出席者全員を共産党再建準備の謀議をしたものとして逮捕したことでした。
私的な温泉旅行を共産党の秘密会議であるとデッチあげたのです。
ここから芋づる式に出版人・ジャーナリストら60数名が検挙され、そのうち30余名が治安維持法違反で起訴されました。
逮捕された人たちは激しい拷問を受け(5名が獄死)、
次々と偽の自白を強要されていったのです。
中央公論記者木村亨氏の場合は、共産主義者と目される大阪商科大学教授名和統一が上京したときに、料亭や喫茶店で他の人たちと一緒に面接・会談したことが、
コミンテルン及び日本共産党の目的遂行のためにする行為をしたことになるとして、有罪判決を受けました。
ある特定の犯罪の具体的な謀議ではなく、一般的な会合にすぎないものでも犯罪とされてしまったのです。
これが治安維持法です(1925年)。
これによって、日本共産党をはじめ、
ごく普通の文化団体・研究会や宗教団体までが弾圧の対象となり、
数十万に及ぶ人々が逮捕され、多くの人の生命が奪われました。
この法律は、「国体の変革」と「私有財産制度を否認」することを目的とする結社の組織・加入・協議・扇動・財政援助を罰するものでした。
目的遂行罪の創設
1928年に「結社の目的遂行のためにする行為」一切を禁止する「目的遂行罪」が加わり、
自由主義的な研究・言論や、宗教団体の教義・信条さえも「目的遂行」につながるとして厳しく処罰されたのです。
協議罪・扇動罪だけでは足りず、なぜこれらに加えて「目的遂行罪」を作らなければならなかったのでしょうか。
治安維持法は、国体変革などの思想を処罰することを目的とする法律でした。
ですから、犯罪とされる行為も、思想そのものを処罰できるものに広げる必要があったのです。
協議をするためには二人以上の人が必要ですが、目的遂行行為は、自宅に共産主義関係の本を置いておくだけでも成立させることができたのです。
治安維持法と同じスパイ密告の世界に
また治安維持法下では、自首をすると処罰が軽減または免除されたため、スパイ行為が盛んに行なわれました。
スパイとなった者が密告をし、目当てとする人たちを逮捕した後、スパイ自身は自首をして処罰を免れる、という仕組みです。
共謀罪を作ろうという考え方は、この治安維持法の考え方と基本的に同じ構造をもっています。
共謀罪は、組織犯罪対策のために設けられるものだといわれています。
犯罪組織を取締るためには、ある犯罪を行なうという同じ意思をもった人々の集団を検挙しなければなりません。
同じ意思をもった人々であるかどうかを調べるためには、スパイ活動が有効です。
共謀罪でも、治安維持法と同じく、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、または免除するとの規定が設けられています。
集団を弾圧するためにスパイを送り込み、治安維持法と同様に共謀をデッチあげることも、いくらでもできます。
共謀罪は、組織弾圧法として機能するのです。
共謀罪は、この規定を利用しようとする権力者側が、自分たちの便利なように使おうと思えばいかようにも使える非常に危険な法律なのです。
日弁連は共謀罪に反対します(共謀罪法案対策本部)
1945年
占領軍の指揮官のマッカーサーは、日本の徹底改革&天皇制維持の姿勢を決めていた。ワシントン政府は、日本の改革・天皇制いずれにもフラフラしてた。結局はマッカーサーが独断専行で決めていく。
そのマッカーサーを、日本国民は熱烈歓迎する。
ここで労働基準法を作り組合活動を合法化し、戦前・戦中に拘束されていた社会主義者・共産主義者が釈放される。
1945年10月4日、
マッカーサーから治安維持法の廃止を要求された日本の東久邇内閣は、それを拒絶し総辞職した。
すなわち、日本の支配層は、敗戦後に、弾圧した国民の復讐を恐れ、日本占領軍に逆らってでも治安維持法を守ろうとした。
しかし、戦後にアメリカから与えられた民主主義体制によって日本の治安が良好に保たれたので、
戦前の治安維持法も、共産主義者の暗殺行為も、思想善導も必要無かった。
「児童を保護するため」と言った児童ポルノ規制法は、実際は、
「児童ポルノ単純所持罪は児童を逮捕するための法律かも」
でした。
(このグラフの元データは、警察庁の生活安全の確保に関する統計のうち、「平成25年中の少年非行情勢について」の報告による)
同様に、「国民をテロから保護するため」と言うテロ準備罪は、
「国民を逮捕するための法律」のようです。
また自民党は、テロ準備罪(治安維持法)の成立に向けて、以下の憲法改悪案で運用したいと考えているようです。
(憲法36条)公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
自民党案では:「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、これを禁ずる。」に変えます。
テロ準備罪(治安維持法)の運用等で止むお得ないと総理大臣(安倍)が判断した場合は、拷問を許可するようです。
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