(1)日米修好通商条約とは、
1858年7月29日に、日本とアメリカ合衆国の間で結ばれた通商条約です。
アメリカ側に領事裁判権を認め、日本に関税自主権がなかった条約でした。
TPPも関税自主権を認めない条約ですのでよく似ています。
(2)日米修好通商条約などで、日本にアメリカ軍艦がよく来るようになった結果、
1858年6月には、日本中にコレラが蔓延しました。
原因は、アメリカ軍艦が長崎に寄航した際に、中国のコレラを日本に運んで来たことによりました。
このコレラの流行により、江戸だけで3万人~4万人の病死者がでました。
TPPでも、外国人の日本への障壁が無い自由な出入りが求められているので、
同様に、何かの病原菌が日本にもたらされる恐れがあります。
TPPで障壁無く自由に穀物を輸入することも求められているので、もし、TPPによって輸入穀物に対する厳しい検査が無くされたら、
輸入穀物に付いて来る病原菌によって、日本に病気が入り易くなることも考えられます。
(3)日米修好通商条約によって、日本が輸出する生糸、茶、蚕卵紙の生産が追いつかず(輸出超過で良く売れた)、国内向けが品不足になり、物価が高騰しました。
(このグラフは「米一俵(60kg)の価格の推移」のページのデータをグラフ化しました)
生糸の輸出超過で日本国内は物不足による物価高になったので、貿易をする外国人を「悪」として、攘夷運動(外国人殺害事件)がおきるようになりました。
(貿易開始にともなう経済混乱と物価騰貴は,
下級武士たちのあいだに,
条約調印をおこなった幕府や貿易相手の欧米人に対する反発を強め,
条約調印に反対の意思を表明した孝明天皇への支持を広げていく。
尊王攘夷運動が高まったのだ。)
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【当ブログ主のコメント】その当時に攘夷運動(外国人殺害運動)を行なった武士たちの心理を日本人として解釈してみる。
(1)日本人の文化の底には、正当な理由があれば、自ら切腹して死ぬ心構え(死の恐怖を殺す心構え)があると考える。 今日、電車への投身自殺が多いことから、その心理はあるだろうと考える。これは、日本人に限ったことでも無いと思う。私自身について内省すると、もし、軍隊の命令で、「敵機に特攻して死んでこい」と言われたら、自分が「特攻」の必要性を納得し、それを私の家族や周囲の友人一同も納得している状況なら、やはり私も特攻するだろうと思う。
(2)当時の武士も、(自分の命も含めて)死ぬべき者を殺す正当な理由がある場合には、その者を殺したのだろう。当時の武士らは、外国人を殺害する正当な理由があると考えたのだろうと思う。それを冷静に形良く行なうことを武士の作法で躾けられて来ただろう。外国人を殺すことで、今度は、それを実行した自分自身が殺される理由ができたと納得すれば、自らも切腹して死んだのだろうと考える。すなわち、外国人を殺すのも正当な理由によって殺し、自ら切腹するのも正当な理由で切腹し、いずれにも迷いが無く「行いの全てが良い」と考えて行なったのだろうと思う。
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また、日米修好通商条約で関税自主権が制限されるようになりました。
(1)特に、1865年に、江戸幕府が、イギリスから、輸入税(関税)を一律5%にする案を提示されました。
江戸幕府がそれを了承した(関税自主権が無くなる)ことで、日本に安価な綿織物が大量に輸入されました。
(2)その結果、国内産業が圧迫され、これにより流通機構が崩れ、
それが物価高騰に拍車をかけました。
(3)この物価の高騰に、米の不作が重なったので、1865年に、庶民の生活が成り立たなくなりました。
そのため、
1865年から、全国的に世直し一揆や打ちこわしなどが頻発するようになりました。
1867年に、江戸から四国に広がった、「ええじゃないか」と言いながら踊りまくる”ええじやないか”騒ぎが始まり、流行した。(この『ええじゃないか』騒動の発端は、1867年の夏に東海道の御油宿に秋葉神社の火防の札が降下したのが始まりだとされ、その後東海道吉田宿(現豊橋市)で伊勢神宮の神符が降り、その後東海道、畿内を中心に30か国で同様な事件があり、人々は、このことを良きことが起こる前触れと考え、「ええじゃないか」とはやし立てながら、集団で狂喜乱舞をはじめたという。)
庶民は「ええじゃないか」と叫び踊りうさを晴らした。
ただ、踊るだけでなく「米屋を壊してもええじゃないか!」と言いながら皆で米問屋を襲撃し米を奪ったり、
「金を貰ってもええじゃないか」と言って両替商から金を奪ったりと、
ある意味暴動に近い行為も行った。
1867年に徳川幕府が滅びました。
TPP締結によっても、同様な事態が起きることが想定されます。
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