2014年6月25日水曜日

「子ども・若者育成支援推進法」がいつの間にか表現規制法案化

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陳情書の書き方(表現規制・2013年児童ポルノ禁止法改正案用)


「子ども・若者育成支援推進法」がいつの間にか表現規制法案化!?
(戦前の日本の「思想善導」の再現のため)

平成26年(2014年)6月11日 提出
委員会に付託されず継続審議にならず廃案になった>
子ども・若者育成支援推進法の一部を改正する法律案要綱


第一 題名の改正
題名を「青少年健全育成基本法」に改めること。 (題名関係)
第二 前文の新設
次の前文を設けること。
「次代を担う青少年を健全に育成していくことは、我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎である。
我が国においては、これまでも青少年の健全な育成のための様々な取組が様々な分野において進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。
もとより、青少年をめぐる問題は、大人の社会の反映であり、この社会に生きる全ての大人がその責任を共有すべきものである。
そして、青少年をめぐる問題は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野にわたる広範な問題であり、青少年の健全な育成に関する施策をより効果的に推進していくためには、国、地方公共団体その他の関係機関及び国民各層の協力と密接な連携の下での国民的な広がりをもった一体的な取組が不可欠である。
ここに、青少年の健全な育成に関する基本理念を明らかにしてその方向を示し、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。」


(前文関係)
第三 総則に関する事項
目的の改正
この法律は、次代を担う青少年を健全に育成していくことが我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎であることに鑑み、
青少年の健全な育成に関し、基本理念を定め、
並びに国、地方公共団体、保護者、国民及び事業者の責務を明らかにするとともに、
施策の基本となる事項を定めること等により、青少年の健全な育成に関する他の法律と相まって、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進することを目的とするものとすること。
 (第一条関係)
基本理念の改正
1 青少年の健全な育成については、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がそれぞれの役割及び責任を担いつつ、相互に協力しながら一体的に取り組まなければならないものとすること。
2 青少年の健全な育成については、次代を担う青少年が、心身ともに健やかに成長し、社会との関わりを自覚しつつ、次代の社会の担い手としてふさわしい自立した個人としての自己を確立できることを旨としてなされなければならないものとすること。
3 青少年の健全な育成については、青少年の発達段階に応じて必要な配慮がなされなければならず、
特に、十八歳未満の青少年に対しては、良好な社会環境の整備が図られるよう配慮されなければならないものとすること。
4 青少年の健全な育成に関する施策を講ずるに当たっては、家庭及び学校が青少年の健全な育成において果たすべき役割の重要性に鑑み、家庭及び学校が青少年を健全に育成する機能を十分に発揮することができるよう配慮しなければならないものとすること。

http://sightfree.blogspot.jp/2010/11/blog-post_17.html

http://sightfree.blogspot.jp/2010/10/blog-post_31.html(第二条関係)
三 保護者、国民及び事業者の責務に関する規定の新設
1 保護者の責務
親権を行う者、未成年後見人その他の青少年の保護者は、
青少年の人間形成にとって基本的な役割を担うことに鑑み、二による改正後の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、
その保護する青少年を健全に育成すべき第一義的責任を有することを自覚し、その育成に努めなければならないものとすること。
 (第五条関係)
2 国民の責務
国民は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に努めなければならないものとすること。
 (第六条関係)
3 事業者の責務
事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、国又は地方公共団体が実施する施策に協力し、その供給する商品又は役務が青少年を取り巻く社会環境に悪影響を及ぼすことがないようにする等青少年の健全な育成に努めなければならないものとすること。


http://sightfree.blogspot.jp/2011/10/blog-post_10.html (第七条関係)
第四 青少年の健全な育成に関する基本的施策に関する事項
一 青少年の健全な育成に関する施策の基本
青少年の健全な育成に関する施策は、基本理念にのっとり、国、地方公共団体その他の関係機関及び国民各層の協力と密接な連携の下に、国民的な広がりをもった一体的な取組として推進されなければな
らないものとすること。
 (第十条関係)
二 大綱等に関する改正
1 「子ども・若者育成支援推進大綱」を「青少年の健全な育成に関する施策の大綱」(以下単に「大綱」という。)に改める等の改正を行うこと。
2 「都道府県子ども・若者計画」を「都道府県計画」に、「市町村子ども・若者計画」を「市町村計画」に改めること。
(第十一条及び第十二条関係)
三 国民の理解と協力を得るための措置
1 国、地方公共団体その他の関係機関は、青少年の健全な育成に関し、広く国民各層の関心を高め、その理解と協力が得られるよう、必要な広報その他の啓発活動を積極的に行うものとすること。
2 国は、1の広報その他の啓発活動をより推進するものとして、
青少年の健全な育成に関する強調月間(以下単に「強調月間」という。)を設けるものとすること。
この場合において、国及び地方公共団体は、強調月間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならないものとすること。
(第十三条関係)
四 社会環境の整備等
国は、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 (第十四条関係)
五 意見の反映
青少年の健全な育成に関する施策に国民の意見を反映させるために必要な措置を国の努力義務とするほか、「国民」の例示として「青少年」及び「保護者」を明記すること。
 (第十五条関係)
六 国際的な協力のための措置
国は、外国政府又は国際機関との情報の交換その他青少年の健全な育成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。


http://sightfree.blogspot.jp/2010/11/blog-post.html
(ハワイ大学 Milton Diamond, Ph.D., et al., International Journal of Law and Psychiatry 22(1): 1-22. 1999)
 ポルノを許容する国は性犯罪が増えるかもしれないという懸念や、ポルノを許容したら青少年が悪影響を受けるか、あるいは、社会が何か悪い影響を受けるかもしれないという懸念は、立証されていません。
 我々のデータから、明らかに、日本では利用可能なポルノの大幅増加は性犯罪の劇的な減少と相関している。特に、若者の加害者と被害者との間の性犯罪の劇的減少が顕著。

 (第十六条関係)
七 地方公共団体の施策
1 地方公共団体における施策の総合的推進
地方公共団体は、当該地方公共団体の区域の特性に応じ、青少年の健全な育成に関する施策を、当該地方公共団体における関係行政機関相互の密接な連携の下に、総合的に推進するものとすること。
(第十八条関係)
2 地方公共団体における社会環境の整備等
① 地方公共団体は、その区域における青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止に関し、条例の制定その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする
こと。
この場合において、市町村は、都道府県の措置との整合性の確保を図りつつ、その区域の実情に応じて、必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
② 地方公共団体は、青少年にとっての良好な社会環境の整備のための事業、青少年の非行防止のための事業、青少年の育成に関する相談に応ずる事業その他の青少年の健全な育成に資する事業を行うことを目的とする機関として青少年健全育成支援センターを置くことができるものとすること。
③ 子ども・若者総合相談センターに関する規定を削除すること。
(第十九条、第二十条及び旧第十三条関係)
3 地方公共団体相互の協力
地方公共団体は、青少年の健全な育成に関する施策を円滑に実施するため、相互に協力するよう努めなければならないものとすること。
 (第二十一条関係)
八 調査研究の推進
国及び地方公共団体が推進する調査研究の対象を社会環境が青少年に及ぼす影響に関する事項その他の青少年の健全な育成に関する施策の策定に必要な事項に改めること。
 (第二十二条関係)
九 配慮
国及び地方公共団体は、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずる場合には、言論、出版その他の表現の自由を妨げることがないよう配慮しなければならないものとすること。
 (第二十三条関係)
第五 青少年が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援に関する事項
一 当該支援の対象となる者
修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者に限らず、社会生活を円滑に営む上での困難を有する青少年全般が当該支援の対象であることを明らかにするため、
当該支援の対象となる者の例示として
規定されている「修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者その他の」という文言を削ること。
(第二十四条関係)
二 地域における支援のための組織の名称の改正等
「子ども・若者支援地域協議会」を「青少年支援地域協議会」に、
「子ども・若者支援調整機関」を「青少年支援調整機関」に、
「子ども・若者指定支援機関」を「青少年指定支援機関」に改めるほか、
所要の改正を行うこと。
 (第二十七条、第二十九条、第三十条等関係)
第六 青少年健全育成推進本部等に関する事項
一 青少年健全育成推進本部
1 「子ども・若者育成支援推進本部」を「青少年健全育成推進本部」(以下「本部」という。)に改めること。
2 本部は、次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
① 大綱を作成し、及びその実施を推進すること。
② ①に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項を審議し、及び青少年の健全な育成に関する施策の実施を推進すること。
③ ①及び②に掲げるもののほか、他の法令の規定により本部に属させられた事務
3 本部は、2の事務(青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項の実施の推進に限る。)
の一部を青少年健全育成会議に行わせることができるものとすること。
4 本部は、青少年健全育成推進本部長、青少年健全育成推進副本部長及び青少年健全育成推進本部員をもって組織するものとすること。
5 本部の長は、青少年健全育成推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充て、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督するものとすること。
6 本部に、青少年健全育成推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、次に掲げる者をもって充て、本部長の職務を助けるものとすること。
① 内閣府設置法第九条第一項に規定する特命担当大臣であって命を受けて青少年の健全な育成に関する事務を掌理するもの(以下「青少年健全育成担当大臣」という。)
② 内閣官房長官
③ 国家公安委員会委員長
④ 法務大臣
⑤ 文部科学大臣
⑥ 厚生労働大臣
7 本部に、青少年健全育成推進本部員(以下「本部員」という。)を置き、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てるものとすること。
8 青少年健全育成会議
① 本部に、青少年健全育成会議(以下「会議」という。)を置き、次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
イ 大綱の案を作成すること。
ロ イに掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項を調査審議すること。
ハ 3により会議に属させられた事務
ニ ロ及びハの事項に関し、必要があると認めるときは、本部長に対し、意見を述べること。
② 会議は、会長及び委員十人以内をもって組織するものとすること。
③ 会長は、青少年健全育成担当大臣(青少年健全育成担当大臣が置かれていないときは、内閣官房長官)をもって充てるものとすること。
④ 委員は、次に掲げる者をもって充てるものとすること。
イ 会長以外の副本部長
ロ 青少年の健全な育成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
⑤ 会長は、必要があると認めるときは、②及び④にかかわらず、本部員を、議案を限って、委員として、臨時に会議に参加させることができるものとすること。
⑥ ④ロの委員の数は、④の委員の総数の十分の五未満であってはならないものとし、④ロの委員は、非常勤とするものとすること。
9 資料提出の要求等
① 本部は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、
関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるものとすること。
② 本部は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、①の者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができるものとすること。
10 1から9までのほか、本部の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定めるものとすること。
(第三十四条から第三十八条まで関係)
二 地方青少年健全育成会議
1 地方公共団体は、条例で、次に掲げる事務を行うための合議制の機関(以下「地方青少年健全育成会議」という。)を置くことができ、当該地方公共団体における次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
① 青少年の健全な育成に関する施策の総合的な推進を図るために必要な重要事項を調査審議すること。
② 青少年の健全な育成に関する施策の実施のために必要な関係行政機関相互の連絡調整を図ること。
③ ①及び②の事項に関し、当該地方公共団体の長及びその区域内にある関係行政機関に対し、意見を述べること。
④ ①から③までに掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関し条例で定める事項を調査審議すること。
2 1のほか、地方青少年健全育成会議の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定めるものとすること。
3 地方青少年健全育成会議は、相互に緊密な連絡をとるよう努めなければならないものとすること。
(第三十九条及び第四十条関係)
第七 その他
一 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
ただし、第六の二及び第七の二は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。 (附則第一条関係)
二 地方青少年問題協議会法は、廃止するものとすること。 (附則第二条関係)
三 現行法の規定中の「子ども・若者」を「青少年」に、
「子ども・若者育成支援」を「青少年の健全な育成」に、
「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に改めること。
四 経過措置その他所要の規定の整備を行うこと。



子ども・若者育成支援推進法の一部を改正する法律案

第一八六回
参第一六号
子ども・若者育成支援推進法の一部を改正する法律案


子ども・若者育成支援推進法(平成二十一年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
青少年健全育成基本法
目次を次のように改める。
目次
前文
第一章
総則(第一条-第九条)
第二章
青少年の健全な育成に関する基本的施策(第十条-第二十三条)
第三章
青少年が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援(第二十四条-第三十三条)
第四章
青少年健全育成推進本部等
第一

青少年健全育成推進本部(第三十四条-第三十八条)
第二節
地方青少年健全育成会議(第三十九条・第四十条)
第五章
罰則(第四十一条)
附則
目次の次に次の前文を加える。
次代を担う青少年を健全に育成していくことは、我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎である。我が国においては、これまでも青少年の健全な育成のための様々な取組が様々な分野において進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。
もとより、青少年をめぐる問題は、大人の社会の反映であり、この社会に生きる全ての大人がその責任を共有すべきものである。

そして、青少年をめぐる問題は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野にわたる広範な問題であり、
青少年の健全な育成に関する施策をより効果的に推進していくためには、国、地方公共団体その他の関係機関及び国民各層の協力と密接な連携の下での国民的な広がりをもった一体的な取組が不可欠である。
ここに、青少年の健全な育成に関する基本理念を明らかにしてその方向を示し、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。


第一条及び第二条を次のように改める。
(目的)
第一条
この法律は、次代を担う青少年を健全に育成していくことが我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎であることに鑑み、

青少年の健全な育成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、保護者、国民及び事業者の責務を明らかにするとともに、
施策の基本となる事項を定めること等により、青少年の健全な育成に関する他の法律と相まって、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進することを目的とする。
(基本理念)
第二条
青少年の健全な育成については、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がそれぞれの役割及び責任を担いつつ、相互に協力しながら一体的に取り組まなければならない。

青少年の健全な育成については、次代を担う青少年が、心身ともに健やかに成長し、
社会との関わりを自覚しつつ、
次代の社会の担い手としてふさわしい自立した個人としての自己を確立できることを旨としてなされなければならない。

青少年の健全な育成については、青少年の発達段階に応じて必要な配慮がなされなければならず、特に、十八歳未満の青少年に対しては、良好な社会環境の整備が図られるよう配慮されなければならない。

青少年の健全な育成に関する施策を講ずるに当たっては、家庭及び学校が青少年の健全な育成において果たすべき役割の重要性に鑑み、家庭及び学校が青少年を健全に育成する機能を十分に発揮することができるよう配慮しなければならない。
第三条中「子ども・若者育成支援施策を」を「青少年の健全な育成に関する施策を総合的に」に改める。
第四条中「子ども・若者育成支援」を「青少年の健全な育成」に改め、「及び他の地方公共団体」を削り、「区域内における子ども・若者の状況」を「地方公共団体の区域の特性」に改める。
第三十四条中「第二十四条」を「第三十二条」に改め、同条を第四十一条とする。
第三十三条中「第二十六条」を「第三十四条」に改め、第四章中同条を第三十八条とし、
同条の次に次の一節を加える。
 第二節 地方青少年健全育成会議
第三十九条
地方公共団体は、条例で、次項に掲げる事務を行うための合議制の機関(以下「地方青少年健全育成会議」という。)を置くことができる。

地方青少年健全育成会議は、当該地方公共団体における次に掲げる事務をつかさどる。

青少年の健全な育成に関する施策の総合的な推進を図るために必要な重要事項を調査審議すること。

青少年の健全な育成に関する施策の実施のために必要な関係行政機関相互の連絡調整を図ること。

前二号に規定する事項に関し、当該地方公共団体の長及びその区域内にある関係行政機関に対し、意見を述べること。

前三号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関し条例で定める事項を調査審議すること。

前二項に定めるもののほか、地方青少年健全育成会議の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。
第四十条
地方青少年健全育成会議は、相互に緊密な連絡をとるよう努めなければならない。
第三十二条を第三十七条とし、同条の前に次の一条を加える。
(青少年健全育成会議)
第三十六条 本部に、青少年健全育成会議(以下この条において「会議」という。)を置く。

会議は、次に掲げる事務をつかさどる。

大綱の案を作成すること。

前号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項を調査審議すること。

第三十四条第三項の規定により会議に属させられた事務

前二号に規定する事項に関し、必要があると認めるときは、本部長に対し、意見を述べること。
3 会議は、会長及び委員十人以内をもって組織する。
4 会長は、青少年健全育成担当大臣(青少年健全育成担当大臣が置かれていないときは、
内閣官房長官)をもって充てる。
5 委員は、次に掲げる者をもって充てる。

会長以外の副本部長

青少年の健全な育成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
6 会長は、必要があると認めるときは、第三項及び前項の規定にかかわらず、
本部員を、議案を限って、委員として、臨時に会議に参加させることができる。
7 第五項第二号の委員の数は、同項に規定する委員の総数の十分の五未満であってはならない。
8 第五項第二号の委員は、非常勤とする。
第二十九条から第三十一条までを削る。
第二十八条の見出しを「(本部の組織)」に改め、
同条中
「子ども・若者育成支援推進本部長、子ども・若者育成支援推進副本部長及び子ども・若者育成支援推進本部員」を
「青少年健全育成推進本部長、青少年健全育成推進副本部長及び青少年健全育成推進本部員」に改め、
同条に次の六項を加え、同条を第三十五条とする。
2 本部の長は、青少年健全育成推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
3 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
4 本部に、青少年健全育成推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、次に掲げる者をもって充てる。

内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣であって同項の規定により命を受けて同法第四条第一項第十四号に掲げる事項に関する事務及びこれに関連する同条第三項に規定する事務を掌理するもの(以下「青少年健全育成担当大臣」という。)
二 内閣官房長官
三 国家公安委員会委員長
四 法務大臣
五 文部科学大臣
六 厚生労働大臣
5 副本部長は、本部長の職務を助ける。
6 本部に、青少年健全育成推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。
7 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
第二十七条を削る。
第二十六条の見出しを「(青少年健全育成推進本部の設置及び所掌事務)」に改め、
同条中「子ども・若者育成支援推進本部」を「青少年健全育成推進本部」に改め、
同条に次の二項を加える。
2 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 大綱を作成し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項を審議し、及び青少年の健全な育成に関する施策の実施を推進すること。
 前二号に掲げるもののほか、他の法令の規定により本部に属させられた事務
3 本部は、前項に規定する事務(青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項の実施の推進に限る。)
の一部を青少年健全育成会議に行わせることができる。
第二十六条を第三十四条とし、第四章中同条の前に次の節名を付する。
第一節
「第四章 青少年健全育成推進本部子ども・若者育成支援推進本部」を
「第四章 青少年健全育成推進本部等」
に改める。
第二十五条中「第十九条」を「第二十七条」に改め、第三章中同条を第三十三条とする。
第二十四条を第三十二条とする。
第二十三条第三項中「子ども・若者」を「青少年」に改め、同条を第三十一条とする。
第二十二条の見出し及び同条第一項中
「子ども・若者指定支援機関」を「青少年指定支援機関」に改め、
同条第二項中「第十五条第一項第一号」を「第二十四条第一項第一号」に改め、同条を第三十条とする。
第二十一条の見出し及び同条第一項中
「子ども・若者支援調整機関」を「青少年支援調整機関」に改め、同条を第二十九条とする。
第二十条第三項中「子ども・若者総合相談センターとしての機能を担う者」を「青少年健全育成支援センター」に、
「子ども・若者に」を「青少年に」に改め、同条を第二十八条とする。
第十九条の見出し及び同条第一項中「子ども・若者支援地域協議会」を「青少年支援地域協議会」に改め、同条を第二十七条とする。
第十八条中「第十五条第一項各号」を「第二十四条第一項各号」に改め、同条を第二十六条とする。
第十七条を削る。
第十六条第一号及び第二号中「子ども・若者」を「青少年」に改め、同条を第二十五条とする。
第十五条第一項中「教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用その他の子ども・若者育成支援」を
「青少年の健全な育成」に改め、
「、修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者その他の子ども・若者であって」を削り、
「ものに」を「青少年に」に改め、
同項第一号中「、子ども・若者の住居」を削り、
同条第二項中「子ども・若者」を「青少年」に改め、
同条を第二十四条とする。
第三章の章名中「子ども・若者」を「青少年」に改める。
第十四条中「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に改め、
「子ども・若者の社会参加の促進その他の」を削り、
第二章中同条を第十七条とし、
同条の次に次の六条を加える。
(地方公共団体における施策の総合的推進)
第十八条
地方公共団体は、当該地方公共団体の区域の特性に応じ、青少年の健全な育成に関する施策を、
当該地方公共団体における関係行政機関相互の密接な連携の下に、総合的に推進するものとする。
(地方公共団体における社会環境の整備等)
第十九条
地方公共団体は、その区域における青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止に関し、条例の制定その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
この場合において、市町村は、都道府県の措置との整合性の確保を図りつつ、その区域の実情に応じて、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(青少年健全育成支援センター)
第二十条
2
地方公共団体は、青少年健全育成支援センターを置くことができる。
青少年健全育成支援センターは、青少年にとっての良好な社会環境の整備のための事業、
青少年の非行防止のための事業、青少年の育成に関する相談に応ずる事業その他の青少年の健全な育成に資する事業を行うことを目的とする機関とする。
(地方公共団体相互の協力)
第二十一条
地方公共団体は、青少年の健全な育成に関する施策を円滑に実施するため、
相互に協力するよう努めなければならない。

(調査研究の推進)
第二十二条
国及び地方公共団体は、社会環境が青少年に及ぼす影響に関する調査研究
その他の青少年の健全な育成に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するよう努めるものとする。
(配慮)
第二十三条
国及び地方公共団体は、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずる場合には、言論、出版その他の表現の自由を妨げることがないよう配慮しなければならない。
第十三条を削る。
第十二条中「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に、
「関して、子ども・若者を含めた」を「資するため、青少年、保護者その他の」に改め、
「講ずる」の下に「よう努める」を加え、同条を第十五条とし、同条の次に次の一条を加える。
(国際的な協力のための措置)
第十六条
国は、外国政府又は国際機関との情報の交換その他青少年の健全な育成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第十一条の見出しを「(社会環境の整備等)」に改め、
同条中
「及び地方公共団体は、子ども・若者の健やかな成長を阻害する行為の防止その他の子ども・若者の健やかな成長に資する」を「は、青少年にとっての」に、
「について、」を
「及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について」に改め、
同条を第十四条とする。
第十条の見出しを「(国民の理解と協力を得るための措置)」に改め、
同条中「及び地方公共団体は、子ども・若者育成支援」を
「、地方公共団体その他の関係機関は、青少年の健全な育成」に、
「国民一般」を「国民各層」に、
「を得るとともに、社会を構成する多様な主体の参加による自主的な活動に資する」を「が得られる」に改め、
「必要な」の下に「広報その他の」を加え、
同条に次の一項を加え、同条を第十三条とする。
2
国は、前項に規定する広報その他の啓発活動をより推進するものとして、
青少年の健全な育成に関する強調月間(以下この項において単に「強調月間」という。)を設けるものとする。
この場合において、
国及び地方公共団体は、強調月間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
第九条の見出しを「(都道府県計画等)」に改め、
同条第一項中「子ども・若者育成支援推進大綱」を「大綱」に、
「子ども・若者育成支援に」を「青少年の健全な育成に」に、
「都道府県子ども・若者計画」を「都道府県計画」に改め、
同条第二項中「子ども・若者育成支援推進大綱」を「大綱」に、
「都道府県子ども・若者計画」を「都道府県計画」に、
「子ども・若者育成支援に」を「青少年の健全な育成に」に、
「市町村子ども・若者計画」を「市町村計画」に改め、
同条第三項中「都道府県子ども・若者計画又は市町村子ども・若者計画」を「都道府県計画又は市町村計画」に改め、
同条を第十二条とする。
第八条の見出しを「(青少年の健全な育成に関する施策の大綱)」に改め、
同条第一項中「子ども・若者育成支援推進本部は、子ども・若者育成支援施策の推進を図るため」を
「青少年健全育成推進本部は、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に関する施策を総合的かつ有機的に推進するため、青少年の健全な育成に関する施策」に、
「「子ども・若者育成支援推進大綱」を「単に「大綱」に改め、
同条第二項を削り、
同条第三項中「子ども・若者育成支援推進本部は、第一項」を「青少年健全育成推進本部は、前項」に、
「子ども・若者育成支援推進大綱」を「大綱」に改め、
同項を同条第二項とし、同条を第十一条とする。
第七条の見出しを「(青少年の健全な育成に関する施策の基本)」に改め、
同条中「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に、
「及び地方公共団体」を「、地方公共団体その他」に、
「相互の」を「及び国民各層の協力と」に改め、
「並びに民間の団体及び国民一般の理解と協力」を削り、
「関連分野における総合的な」を「国民的な広がりをもった一体的な」に、
「行われ」を「推進され」に改め、
同条を第十条とする。
「第二章 子ども・若者育成支援施策」を
「第二章 青少年の健全な育成に関する基本的施策」に改める。
第六条中「子ども・若者の」を「青少年の」に、
「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に改め、
第一章中同条を第九条とする。
第五条中「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に改め、
同条を第八条とする。
第四条の次に次の三条を加える。
(保護者の責務)
第五条
親権を行う者、未成年後見人その他の青少年の保護者は、
青少年の人間形成にとって基本的な役割を担うことに鑑み、
基本理念にのっとり、その保護する青少年を健全に育成すべき第一義的責任を有することを自覚し、その育成に努めなければならない。
(国民の責務)
第六条
国民は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に努めなければならない。
(事業者の責務)
第七条
事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、国又は地方公共団体が実施する施策に協力し、
その供給する商品又は役務が青少年を取り巻く社会環境に悪影響を及ぼすことがないようにする等青少年の健全な育成に努めなければならない。


附則第二条中「子ども・若者を」を「青少年を」に、
「子ども・若者育成支援施策」を「青少年の健全な育成に関する施策」に改める。

附則
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、第三十三条を改め、同条を第三十八条とし、同条の次に一節を加える改正規定
(第三十三条を改め、同条を第三十八条とする部分を除く。)
及び次条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(地方青少年問題協議会法の廃止)
第二条
地方青少年問題協議会法(昭和二十八年法律第八十三号)は、廃止する。
(青少年の健全な育成に関する施策の大綱等に関する経過措置)
第三条
この法律の施行の際現にこの法律による改正前の子ども・若者育成支援推進法
(以下「旧法」という。)
第八条第一項の規定により作成されている子ども・若者育成支援推進大綱は、
この法律による改正後の青少年健全育成基本法
(以下この条において「新法」という。)
第十一条第一項に規定する大綱が作成されるまでの間は、
同項の規定により作成された大綱とみなす。
2
この法律の施行の際現に旧法第九条第一項の規定により作成されている都道府県子ども・若者計画は、
新法第十二条第一項に規定する都道府県計画が作成されるまでの間は、
同項の規定により作成された都道府県計画とみなす。
3
この法律の施行の際現に旧法第九条第二項の規定により作成されている市町村子ども・若者計画は、
新法第十二条第二項に規定する市町村計画が作成されるまでの間は、
同項の規定により作成された市町村計画とみなす。
(秘密保持義務に関する経過措置)
第四条
旧法第十九条第一項に規定する協議会の事務
(旧法第二十一条第一項に規定する調整機関及び旧法第二十二条第一項に規定する指定支援機関としての事務を含む。)
に従事していた者に係るその事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、この法律の施行後も、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第五条
この法律の施行前にした行為及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正)
第七条
青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
(平成二十年法律第七十九号)
の一部を次のように改正する。
第十二条第一項中「子ども・若者育成支援推進法」を「青少年健全育成基本法」に、
「第二十六条」を「第三十四条第一項」に、
「子ども・若者育成支援推進本部」を「青少年健全育成推進本部」に改める。
(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第八条
この法律の施行の際現に前条の規定による改正前の青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律第十二条第一項の規定により作成されている基本計画は、

前条の規定による改正後の青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律第十二条第一項の規定により作成された基本計画とみなす。
(内閣府設置法の一部改正)
第九条
内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
第四条第三項第二十六号の三中「子ども・若者育成支援推進法」を「青少年健全育成基本法」に、

「第八条第一項」を「第十一条第一項」に、
「子ども・若者育成支援推進大綱」を「大綱」
に改める。
第四十条第三項の表 子ども・若者育成支援推進本部の項を次のように改める。
青少年健全育成推進本部 |青少年健全育成基本法

理由
次代を担う青少年を健全に育成していくことが我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎であることに鑑み、
青少年の健全な育成という観点から、
子ども・若者育成支援推進法について、
題名の改正、
基本理念の見直し、
保護者、国民及び事業者の責務の追加、
施策の拡充等の措置を講ずる必要がある。
これが、この法律案を提出する理由である。


新旧対照表

「個人としての尊厳重視」を削除する。
「雇用の支援」を削除する。
「雇用の支援」を削除する。
「生活困難の原因の究明」を削除する。


第一五九回(2004年第159回国会(1月19日〜の会期))
参第一二号
青少年健全育成基本法(案)
目次
前文
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 青少年の健全な育成に関する基本的施策(第十条―第二十一条)
第三章 青少年の健全な育成に関する施策の大綱(第二十二条)
第四章 青少年健全育成推進本部等
第一節 青少年健全育成推進本部(第二十三条―第二十六条)
第二節 地方青少年健全育成会議(第二十七条・第二十八条)
附則
 次代を担う青少年を健全に育成していくことは、我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎である。我が国においては、これまでも青少年の健全な育成のための様々な取組が様々な分野において進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。
 もとより、青少年をめぐる問題は、大人の社会の反映であり、この社会に生きるすべての大人がその責任を共有すべきものである。そして、青少年をめぐる問題は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野にわたる広範な問題であり、青少年の健全な育成に関する施策をより効果的に推進していくためには、国、地方公共団体その他の関係機関及び国民各層の協力と密接な連携の下での国民的な広がりをもった一体的な取組が不可欠である。
 ここに、青少年の健全な育成に関する基本理念を明らかにしてその方向を示し、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。
第一章
総則
(目的)
第一条

 この法律は、次代を担う青少年を健全に育成していくことが我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎であることにかんがみ、青少年の健全な育成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、保護者、国民及び事業者の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、青少年の健全な育成に関する他の法律と相まって、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進することを目的とする。
(基本理念)
第二条

 青少年の健全な育成については、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野におけるすべての構成員がそれぞれの役割及び責任を担いつつ、相互に協力しながら一体的に取り組まなければならない。
2 青少年の健全な育成については、次代を担う青少年が、心身ともに健やかに成長し、社会とのかかわりを自覚しつつ、次代の社会の担い手としてふさわしい自立した個人としての自己を確立できることを旨としてなされなければならない。
3 青少年の健全な育成については、青少年の発達段階に応じて必要な配慮がなされなければならず、特に、十八歳未満の青少年に対しては、良好な社会環境の整備が図られるように配慮されなければならない。
4 青少年の健全な育成に関する施策を講ずるに当たっては、家庭及び学校が青少年の健全な育成において果たすべき役割の重要性にかんがみ、家庭及び学校が青少年を健全に育成する機能を十分に発揮することができるように配慮しなければならない。
(国の責務)
第三条

 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条

 地方公共団体は、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に関し、国との連携を図りつつ、その地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(保護者の責務)
第五条

 親権を行う者、未成年後見人その他の青少年の保護者は、青少年の人間形成にとって基本的な役割を担うことにかんがみ、基本理念にのっとり、その保護する青少年を健全に育成すべき第一義的責任を有することを自覚し、その育成に努めなければならない。
(国民の責務)
第六条
 国民は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に努めなければならない。
(事業者の責務)
第七条
 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、国又は地方公共団体が実施する施策に協力し、その供給する商品又は役務が青少年を取り巻く社会環境に悪影響を及ぼすことがないようにする等青少年の健全な育成に努めなければならない。
(法制上の措置等)
第八条
 政府は、青少年の健全な育成に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
(年次報告)
第九条
 政府は、毎年、国会に、青少年の現状及び政府が講じた青少年の健全な育成に関する施策についての報告を提出しなければならない。
第二章
青少年の健全な育成に関する基本的施策
(国民的な広がりをもった取組の推進)

第十条
 青少年の健全な育成に関する施策は、基本理念にのっとり、国、地方公共団体その他の関係機関及び国民各層の協力と密接な連携の下に、国民的な広がりをもった一体的な取組として推進されなければならない。



(国民の理解と協力を得るための措置)
(2014年法案の第13条)
第十一条
 国、地方公共団体その他の関係機関は、青少年の健全な育成に関し、広く国民各層の関心を高め、その理解と協力が得られるよう、必要な広報その他の啓発活動を積極的に行うものとする。
2 国は、前項に規定する広報その他の啓発活動をより推進するものとして、青少年の健全な育成に関する強調月間(以下この項において単に「強調月間」という。)を設けるものとする。この場合において、国及び地方公共団体は、強調月間の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならない。


(社会環境の整備等)

(2014年法案の第14条) 
第十二条
 国は、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずるように努めるものとする。


(当ブログのコメント:「健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置」は、治安維持法の予防拘禁制に対応する。

(意見の反映)

(2014年法案の第15条) 
 第十三条
 国は、青少年の健全な育成に関する施策の策定及び実施に資するため、青少年、保護者その他の国民の意見を国の施策に反映させるために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(調査研究の推進)

(2014年法案の第22条)
第十四条
 国は、社会環境が青少年に及ぼす影響に関する調査研究その他の青少年の健全な育成に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するように努めるものとする。
(国際的な協力のための措置)

(2014年法案の第16条) 
第十五条
 国は、外国政府又は国際機関との情報の交換その他青少年の健全な育成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(地方公共団体及び民間の団体に対する支援)

(2014年法案の第17条)
第十六条
 国は、地方公共団体が実施する青少年の健全な育成に関する施策及び民間の団体が青少年の健全な育成に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(地方公共団体における施策の総合的推進)

(2014年法案の第18条)
第十七条
 地方公共団体は、当該地方公共団体の区域の特性に応じ、青少年の健全な育成に関する施策を、当該地方公共団体における関係行政機関相互の密接な連携の下に、総合的に推進するものとする。
(地方公共団体における社会環境の整備等)

(2014年法案の第19条)
第十八条
 都道府県は、条例で定めるところにより、その区域において、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2 市町村は、条例で定めるところにより、その区域において、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずることができる。
(青少年健全育成支援センター)

(2014年法案の第20条)
第十九条 都道府県及び市町村は、青少年健全育成支援センターを置くことができる。
2 青少年健全育成支援センターは、青少年にとっての良好な社会環境の整備のための事業、青少年の非行防止のための事業、青少年の育成に関する相談に応ずる事業その他の青少年の健全な育成に資する事業を行うことを目的とする機関とする。
(地方公共団体相互の協力)

(2014年法案の第21条)
第二十条
 地方公共団体は、青少年の健全な育成に関する施策を円滑に実施するため、相互に協力するように努めなければならない。
(配慮)

(2014年法案の第23条)
第二十一条
 国及び地方公共団体は、青少年にとっての良好な社会環境の整備及び青少年の健全な育成を阻害する行為の防止について必要な措置を講ずる場合には、言論、出版その他の表現の自由を妨げることがないように配慮しなければならない。
第三章

(2014年案での第11条と第12条)
第二十二条

青少年の健全な育成に関する施策の大綱
 青少年健全育成推進本部は、基本理念にのっとり、青少年の健全な育成に関する施策を総合的かつ有機的に推進するため、青少年の健全な育成に関する施策の大綱(以下本則において「大綱」という。)を作成しなければならない。
2 青少年健全育成推進本部は、前項の規定により大綱を作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
3 前項の規定は、大綱の変更について準用する。
第四章
青少年健全育成推進本部等
第一節
青少年健全育成推進本部
(青少年健全育成推進本部の設置及び所掌事務)

(2014年法案の第34条)
第二十三条 内閣府に、青少年健全育成推進本部(以下「本部」という。)を置く。
2 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 大綱を作成し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。
(本部の組織)

(2014年法案の第35条)
第二十四条 本部は、青少年健全育成推進本部長、青少年健全育成推進副本部長及び青少年健全育成推進本部員をもって組織する。
2 本部の長は、青少年健全育成推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

3 本部長は、本部の事務を総括する。
4 本部に、青少年健全育成推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、次に掲げる者をもって充てる。
一 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣で同法第四条第一項第十四号に掲げる事項に関する事務並びに同条第三項第二十六号の二及び第二十七号に掲げる事務を掌理するもの(以下「青少年健全育成担当
大臣」という。)
二 内閣官房長官
三 国家公安委員会委員長
四 法務大臣
五 文部科学大臣
六 厚生労働大臣
5 副本部長は、本部長の職務を助ける。
6 本部に、青少年健全育成推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。
7 本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。
(青少年健全育成会議)

(2014年法案の第36条)
第二十五条 本部に、青少年健全育成会議(以下この条において「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 大綱の案を作成すること。
二 前号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関する施策についての重要事項を調査審議し、及びその施策の実施を推進すること。
三 前号に規定する事項に関し、必要があると認めるときは、本部長に対し、意見を述べること。
3 会議は、会長及び委員十人以内をもって組織する。
4 会議の会長は、青少年健全育成担当大臣(青少年健全育成担当大臣が置かれていないときは内閣官房長官)をもって充てる。
5 会議の委員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 会長以外の副本部長
二 青少年の健全な育成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
6 会長は、必要があると認めるときは、第三項及び前項の規定にかかわらず、本部員を、議案を限って、委員として、臨時に会議に参加させることができる。
7 第五項第二号の委員の数は、同項に規定する委員の総数の十分の五未満であってはならない。
8 第五項第二号の委員は、非常勤とする。(政令への委任)
第二十六条
この法律に定めるもののほか、本部の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節

 (2014年案での第27条と第28条に対応)
第二十七条
地方青少年健全育成会議
都道府県及び市町村は、条例で、次項に掲げる事務を行うための合議制の機関(以下「地方青少年健全育成会議」という。)を置くことができる。
2 地方青少年健全育成会議は、当該地方公共団体における次に掲げる事務をつかさどる。

青少年の健全な育成に関する施策の総合的な推進を図るために必要な重要事項を
一 調査審議すること。
二 青少年の健全な育成に関する施策の実施のために必要な関係行政機関相互の連絡調整を図ること。
三 前二号に規定する事項に関し、当該地方公共団体の長及びその区域内にある関係行政機関に対し、意見を述べること。
四 前三号に掲げるもののほか、青少年の健全な育成に関し条例で定める事項を調査審議すること。
3 前二項に定めるもののほか、地方青少年健全育成会議の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。
第二十八条 地方青少年健全育成会議は、相互に緊密な連絡をとるように努めなければならない。
附則
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第四章第二節及び附則第三条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条
この法律の施行の際現に定められている青少年の健全な育成に関する国の施策の大綱は、この法律の規定により定められた大綱とみなす。
(地方青少年問題協議会法の廃止)
第三条
地方青少年問題協議会法(昭和二十八年法律第八十三号)は、廃止する。
(内閣府設置法の一部改正)
第四条
内閣府設置法の一部を次のように改正する。
 第四条第三項第二十六号の次に次の一号を加える。
二十六の二 青少年の健全な育成に関する施策の大綱(青少年健全育成基本法(平成十六年法律第▼▼▼号)第二十二条第一項に規定するものをいう。)の作成及び推進に関すること。第四条第三項第二十七号中「青少年」を「前号に掲げるもののほか、青少年」に改める。

 第四十条第三項中「第一項」の下に「及び第二項」を加え、同項を同条第四項とし、
同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、

同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項に定めるもののほか、青少年健全育成基本法の定めるところにより内閣府に置かれる青少年健全育成推進本部は、本府に置く。
(災害対策基本法等の一部改正)
第五条 次に掲げる法律の規定中「第四十条第二項」を「第四十条第三項」に改める。
一 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二十四条第一項及び第二十八条の二第一項
二 大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第十条第一項
三 原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十六条第一項
(日本学術会議法の一部を改正する法律の一部改正)
第六条
日本学術会議法の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の一部を次のように改正する。
附則第十条のうち内閣府設置法第四十条第三項の改正規定中「第四十条第三項」を
「第四十条第四項」に改める。


理由
 次代を担う青少年を健全に育成していくことが我が国社会の将来の発展にとって不可欠の礎であることにかんがみ、青少年の健全な育成に関する施策を総合的に推進するため、青少年の健全な育成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、保護者、国民及び事業者の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。



自民党、青少年健全育成基本法案を選挙公約に
からコピーさせていただきました。

青少年の健全な成長に資する「青少年健全育成基本法案」の法整備など総合的な施策を推進します。
(「自民党選挙公約J-ファイル2012:188 家族の絆を深め、家庭基盤を充実させ、全員参加型社会の実現へ」33頁目、2012年11月21日)※PDFファイル

自民党選挙公約(案)で「青少年健全育成基本法案」成立を宣言!有害図書規制もワンセットか?
(オトナの会社設立、2012年11月23日)

自民党は選挙の度に青少年健全育成基本法案の成立を公約として掲げてきました。

この法案は、都条例改正案が生っちょろく見えるほどの破壊力。漫画・アニメ・ゲームなどの各メディア業界に「青少年有害社会環境対策センター」という天下り機関を設置し、「青少年に有害と思われる作品」を監視・規制していくという無茶苦茶な代物です。


まったく懲りない人びとである、参議院自民党が、青少年に関するメディア規制2法――「青少年健全育成基本法案」と「青少年を取り巻く有害社会環境の適正化のための事業者等による自主規制に関する法案」の成立を目指している。だがこれは、過去に成立が画策され、青少年を救わず、メディアを規制するだけとして、廃案になってきた青少年に関するメディア規制法案を2つに分けた焼き直し版にすぎない。当然、青少年を救わず、メディアを規制するだけの無意味な法案だ。放送業界は、断固たる態度をもって、この法案を葬り去るべきである。
 (GALAC 2003年11月号「断固として葬れ!!青少年健全育成基本法案/青少年有害環境の自主規制法案」) 

この法案は小泉政権時代の2004年に第159回国会に提出されましたが、
政局の影響もあって審議に入る事無く棚上げとなり、そのまま廃案になっています。
しかし、この法案に固執する自民党議員は非常に多く、中曽根弘文氏に至っては「法案が成立するまで何度でも国会に提出する」とまで言い切っています。

今回の選挙結果次第では、かなり厳しい事態になるかもしれません。

http://sightfree.blogspot.jp/2013/05/blog-post_19.html

http://sightfree.blogspot.jp/2013/05/blog-post_19.html

安倍晋三「シャドウ・キャビネット」、法務省文部科学省内閣府に青少年健全育成基本法案や児童ポルノ禁止法改正案に深く関わっている規制派議員がズラリと並んでいます。
https://twitter.com/MxIxTxBx/status/271292805207453696

 また、舛添要一が東京都知事になったので、
 【告知】【青少年健全育成基本法】舛添要一参議院議員が早ければ秋の臨時国会で青少年健全育成基本法の成立と児童ポルノ法改正をと明言したようです【児童ポルノ法】
 の報告にあるように、更にマンガやアニメの表現規制をする青少年条例を強化すると考えられます。

と、こういった有様なので。




以下、青少年健全育成基本法案についての参照リンク。

青少年有害社会環境対策基本法案(現:青少年健全育成基本法案)- Wikipedia Wikipedia

自民党が今国会に『青少年健全育成基本法』を提出予定 「青少年の健全育成の為に表現の自由を制約する」 (東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト、2012年4月15日)

TV番組やマンガなどを“検閲”する青少年健全育成基本法案をめぐるやり取り。山本一太議員「悪質な捏造!」ツイ民「請願出しましたよね?」 (Togetter、2012年6月25日)

日本図書館協会:青少年社会環境対策基本法案についての見解

(社団法人日本図書館協会、2001年3月21日)
第2に、政府は1977年度以来、再三「有害」図書類と青少年の「逸脱行動」と を関係づけるべく調査を重ねていますが、「有害」図書類に接することが逸脱 行動の原因であるという結果は得られていません。

(ハワイ大学 Milton Diamond, Ph.D., et al., International Journal of Law and Psychiatry 22(1): 1-22. 1999)
 ポルノを許容する国は性犯罪が増えるかもしれないという懸念や、ポルノを許容したら青少年が悪影響を受けるか、あるいは、社会が何か悪い影響を受けるかもしれないという懸念は、立証されていません。
 我々のデータから、明らかに、日本では利用可能なポルノの大幅増加は性犯罪の劇的な減少と相関している。特に、若者の加害者と被害者との間の性犯罪の劇的減少が顕著。


 

http://sightfree.blogspot.jp/2010/10/blog-post_31.html





(情報源:衛生行政報告例(平成21年)F06付表6「人口妊娠中絶件数,年齢階層・年次別」)
情報通信統計データベースのインターネット分野の「インターネット普及率の推移(個人)」)
なお、「携帯Web見」とは、モバイル機器によりインターネットアクセスをした人の数のことです。

上のグラフは当ブログで作りました。参考のため。

 


 このグラフのデータは、各年度毎の警察庁の資料
(福祉犯罪等 122児童買春・児童ポルノ)から抽出しました。


 どうやら、神奈川県は児童買春・児童ポルノ禁止法での児童買春罪の逮捕件数を通常の10倍まで水増し逮捕しているように思われる。
児童ポルノ単純所持罪は被害者無き犯罪を定めるように考える。それは、犯罪の定義があいまいなので逮捕者を10倍に拡大する余地があると考える。


韓国を“見習おう” 千葉・森田健作知事


(韓国では1997年の青少年保護法の制定以降、性犯罪が(自殺率も)急増しました)


http://sightfree.blogspot.jp/2010/11/1700.html
(上のグラフは、報告サイト(1)(2)(3)(4)(5)(6)のデータを使いました)

青少年社会環境対策基本法案についての見解

2001年3月21日
社団法人 日本図書館協会
  参議院自民党政策審議会の下に設置された青少年問題検討小委員会が昨年4月に策定した「青少年社会環境対策基本法案」(当初は、青少年有害環境対策法案。以下、法案)が、議員立法として今国会に提出されようとしています。  
 日本図書館協会は、戦前に公立図書館が国家意志を担って「思想善導」と検閲のための機関となった歴史を反省し、戦後、「図書館の自由に関する宣言」(1954年総会決定。1979年改訂)を図書館界の総意として確認し、国民の知る自由・学習する権利を保障することが公立図書館の基本的任務であることを表明しました。少数意見、あるいは不快、危険と批判を受ける表現をも含め、言論・思想が自由に表出され自由にアクセスできることが必要です。それが日本国憲法の原理の求めるところであり、図書館はその実現維持のために不断に努力することを使命とします。  
 本法案は、政府と地方公共団体に対し、子ども達の発達に悪影響を与えると考えられる商品や情報を幅広く規制する権限を与えるものです。子ども達が幸せに成長することは社会の願いです。しかしながら、法案はそれに応えるものではなく、次のような重大な問題点をもっています。  
 第1に、規制の対象とする表現等の内容の定義が不明確で、恣意的な拡大解釈を許すことです。  
 規制を予定する対象を「有害な社会環境」とし、それが「誘発し、若しくは助長する」ものとして性と暴力の逸脱行為に加え、これも曖昧な「不良行為」を例示していますが、なおこの3つに限定してはいません。これらの行為を「誘発し」「助長する等青少年の健全な育成を阻害する恐れのある社会環境をいう」と同義反復して、規制対象とする表現内容を明確に定義していません。これは規制する表現対象の恣意的拡大を可能にし、表現の自由の萎縮をもたらす立法であり、違憲の疑いが強いものです。  
 第2に、政府は1977年度以来、再三「有害」図書類と青少年の「逸脱行動」とを関係づけるべく調査を重ねていますが、「有害」図書類に接することが逸脱行動の原因であるという結果は得られていません。表現と行動の因果関係が科学的に証明できないのですから、どのような表現が逸脱行動の原因であるかを科学的に定義することは不可能で、このことも規制する表現対象の恣意的拡大を可能にします。  
 法案作成者の談話によると、子どもに親しまれてきた絵本の『くまのプーさん』でさえ大きなまさかりで殺す場面が出てくるという理由で規制の対象になりかねない状況です。(長岡義幸:強まる「有害」規制の動き 『文化通信』 2000.2.5号)  
 第3に、現在46都道府県で施行されている青少年条例の有害図書類の規制に比べて、規制のレベルが高いことです。  
 これら青少年条例の有害図書指定制度は、規制の度を強める一方、一部世論に迎合し、目的逸脱の疑いのある指定事例が見られるとはいえ、多くが第三者審議機関による指定審査や不服申立ての制度を備えて指定の客観性や透明性を図っています。しかしながら、法案にはこのような表現の自由を尊重する制度はなく、全国斉一の行政措置が強力に執行されることを許すものです。  
 第4に、政府や地方公共団体などの行政機関に、人の価値観やモラルなど内心の領域への侵入を許すことです。  
 例示されている性に関する表現にしても、規制立法は青少年保護が目的とはいえ違憲性の高いものです。例えば衆議院法制局が衆議院文教委員会に提出した見解「『ポルノ』出版物の規制について」(1977年5月13日)の中でも、「そもそも性の問題は、人間存在の根元にかかわることであり、家庭・学校その他の場を通じ、良識による判断・選択により問題の解決が図られるべきもの」と述べられています。  
 第5に、政府や地方公共団体などの行政機関に、社会の木鐸たる報道メディアに直接介入する権限を与えることです。すでに報道・出版に関わる諸団体から検閲の危険さえ指摘されていますが、私たちもその危惧を抱くものです。  
 「図書館の自由に関する宣言」改訂から20年経過し、宣言は資料提供の規制 や排除などの事例を通じて社会的理解と支持を広げてきました。しかしながら、宣言の基本的精神に反する自己規制が、行政の指示や誘導に基づいて行われる事例が増加しております。本法案が成立すれば、一層それを助長し、ひいては民主主義の根幹である国民の知る権利を著しく阻害する結果になります。  
 以上の理由により、当日本図書館協会は、本法案が今国会に提出されることに反対を表明します。


自民党「青少年有害社会環境対策基本法案」に対するメディア総研の見解
2002年2月21日
メディア総合研究所
所長 須藤春夫

 2001年11月、自民党の内閣部会・青少年を取り巻く有害な環境対策の推進に関する小委員会(田中直紀委員長)は、1年前につくった原案「青少年社会環境対策基本法案」を修正し、新たに「青少年有害社会環境対策基本法案」をまとめた。
 この法案では「青少年有害社会環境」を、「青少年の性若しくは暴力に関する価値観の形成に悪影響を及ぼし」「逸脱行為若しくは残虐な行為を誘発し、若しくは助長する」など「青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境」と、広範かつあいまいに定義している(第2条)。
 今日のように多様化した社会においては、価値観の形成に影響を及ぼす環境は複雑・多様であり、何が青少年にとって「有害」か、を一概に決めることは困難である。
ところがこの法案は、そうしたあいまいな定義のもとに、国が基本方針を策定し、国民的広がりをもった取り組みの推進と事業者(団体)による自主的な取り組みとによって
「近年の我が国社会における急激な情報化の進展、過度の商業主義的風潮のまん延等により、青少年有害環境のもたらす弊害が深刻化し、かつ、増大している傾向にあること」(第3条)
に対処するとしている。
そのために、国、地方公共団体、事業者、保護者および国民の責務を列挙し、それらが一体となって思想善導運動を推進することをめざしている。
このような姿勢は、戦前、
日本が国策として推進した「青少年の健全育成」の姿と重なるものがあり、
政府・政権党主導による官民あげての精神運動の危険を感じずにはいられない。
 法案が「青少年有害社会環境対策協会」の設立とそれへの加入の努力義務を事業者に求めていること(第15条)も問題である。
「自主規律」とはいえ、事業者は対策協会からの助言、指導、勧告を受け、苦情の対処に関しては、対策協会から説明や文書の提出を求められれば、正当な理由なくこれを拒むことはできないことになっている。
また法案は、主務大臣または都道府県知事に対して、対策協会への助言、指導権限を与えており、
主務大臣等は対策協会の業務の改善について必要な勧告を行うことができ、勧告に従わないときは、その旨を公表する処分ができることになっている。
そのうえ、内閣総理大臣が指定する「青少年有害社会環境対策センター」が対策協会と連携して苦情処理と青少年の健全な育成を阻害するおそれのある商品・役務の供給状況等の調査を行うことにもなっている(第21条)。
 こうした仕組みは、これまで事業者が行ってきた自主的な取り組みを、行政の管理のもとで再組織しようとするものであり、視聴者・読者・市民の自主的な運動を官製の枠組みに押し込めようとするものにほかならない。
 すでに放送分野では、現行放送法が求める番組審議機関(番審)が長年にわたって活動をしており、NHKと民放連が共同で設立した「放送と青少年に関する委員会」も2000年から苦情対応と調査研究にあたっている。
また、映画分野には50年を超える映倫の活動があり、
出版分野においても出版倫理協議会等による自主・自律の取り組みが行われている。
法案はこうした事業者の自主・自律の姿勢と努力を否定するものであり、
各種の自主規制機関の存在をないがしろにするものといわざるを得ない。
 事業者の自主的な取り組みを結果的に否定するのであれば、その立法趣旨として、各業界がとってきた自主規制措置では不足だとする根拠が具体的に明示されなければならないはずだが、
現段階では、都道府県市町村議会などの「青少年健全育成のための法制定要請」が主たる理由として説明されているだけである
(たとえば、2002年1月28日開催のマス・コミユニケーション倫理懇談会全国協議会の「マスコミと公共性」研究会での田中直紀氏の発言)。
 議員立法としてこの法案を提出する当事者には、こうした問題点への具体的な回答に加え、放送法に明記された放送事業における番組審議機関と、この法案が設立を予定している「対策協会」との関連、あるいはそれらの位置付けを説明する責任が求められる。
 たしかに、日本民間放送連盟や日本書籍出版協会などが、これまでにこの法案に反対する見解を表明しているが、
個々の事業者あるいは各労働組合の公式な意見表明は見当たらない。
さらに、女性の尊厳を冒涜するような表現が放送番組・雑誌などで氾濫している現状も認めざるを得ない。
こうした表現について事業者が説明責任を果たさなければ、法規制を自ら招くものと判断されても仕方のないところではある。
メディア総合研究所は、こうした事業者の姿勢についても強く自省を求め、市民と向き合った自主的取り組みによる解決をあくまでも求めるものである。
 憲法21条、そして放送法が明記しているように、表現の自由にかかわる分野に関する法的規制については、極めて慎重でなければならない。
そのような理由から、同法案の国会上程については、強く反対の意思を表明する。

以 上

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