2013年国別人権報告書―日本に関する部分
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
米国国務省民主主義・人権・労働局
2014年2月27日発表
エグゼクティブ・サマリー
日本は、議院内閣制を採用する立憲君主制国家である。2012年12月の衆議院選挙の結果、自由民主党の安倍晋三総裁が首相に就任した。7月21日の参議院選挙により、連立与党が参議院の過半数を獲得した。この選挙は自由かつ公正な選挙とみなされた。文民当局は治安部隊に対する実効的な支配を維持した。治安部隊による人権侵害はなかった。
主な人権問題には、起訴前の被勾留者に対する適正手続きの欠如、刑務所および収容施設の状況、および児童ポルノの非処罰を含む子どもの搾取などがあった。
(当ブログのコメント)-----
外務省のサイトから以下の記事をコピーさせていただきました。
海外邦人事件簿|Vol.50 なぜ!? 思わぬことから大騒ぎ
(その1)
世界には、いろいろな考え方や習慣があり、法律も異なっています。日本では問題にならないような習慣でも重大なトラブルに発展することもあるのです。次のケースは、私たち日本人にとっては、「えっ、どうして・・・」と思うことかもしれませんが、事実は小説より奇なりです。
『とある先進国に在住の邦人一家。現地校に通っている娘さんが、作文に「お父さんとお風呂にはいるのが楽しみです。」と書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕されてしまった。』
『家族で撮った写真のフィルムを現像に出したところ、子供が入浴している写真があるということで、警察に通報され事情聴取を受けた。』
『家族で撮った写真のフィルムを現像に出したところ、子供が入浴している写真があるということで、警察に通報され事情聴取を受けた。』
『幼い子供を連れて買い物へ出かけたが、子供が気持ちよさそうに眠ってしまったので、起こすのも可哀想と思い自動車の中に子供を残したまま店に入った。買い物を済ませて車に戻ると自分の車の周りに人が集まっており、警察官に事情聴取を受けた。』
ヨーロッパやアメリカでは、風呂場はプライバシーが強く保たれるべき場所だと考えられており、たとえ親子であっても一緒に入浴することは非常識な行為で、 特に父親と娘の場合は、性的虐待が強く疑われることになります。
また、児童ポルノに関する規制・処罰が厳しく、
入浴中の写真を撮る等子供をポルノの対象に している可能性があると疑われれば、
警察に通報されることもあります。
(コメントおわり)----- ヨーロッパやアメリカでは、風呂場はプライバシーが強く保たれるべき場所だと考えられており、たとえ親子であっても一緒に入浴することは非常識な行為で、 特に父親と娘の場合は、性的虐待が強く疑われることになります。
また、児童ポルノに関する規制・処罰が厳しく、
入浴中の写真を撮る等子供をポルノの対象に している可能性があると疑われれば、
警察に通報されることもあります。
他にも根強く残る人権に関する懸念事項としては、民族に基づくマイノリティー、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(LGBT)、および障害者に対する社会的差別、庇護希望者の収容、女性に対する配偶者からの暴力およびセクハラ(性的嫌がらせ)、および外国人実習生の搾取を含む人身売買などがあった。
政府は人権侵害を禁止する法律を執行し、侵害行為を行った政府職員を訴追した。
第1部 個人の人格の尊重(以下の状況からの自由)
a. 恣意的または違法な人命のはく奪
政府またはその職員による、恣意的、または違法な人命のはく奪は報告されなかった。
・・・
第2部 市民の自由の尊重
a. 言論と報道の自由
憲法により言論と報道の自由が規定されており、実際に日本政府は、全般的にこうした権利を尊重した。独立した報道機関、効果的な司法制度、および機能する民主的政治制度が相まって、言論と報道の自由を促進した。
・・・
第6部 差別、社会的虐待、人身売買
法律により、人種、性別、障害、および社会的地位に基づく差別は禁止されているが、言語、性的指向、または性同一性に基づく差別は禁止されていない。政府はこれらの禁止規定をある程度執行したが、女性、民族に基づくマイノリティー、障害者、LGBT、および外国人に対する差別の問題は残っていた。さらに、禁止規定の執行には一貫性がなく、障害者に対する一部の規定は、公共部門には適用されるが、民間部門には適用されないと解釈された。
女性
強姦および配偶者からの暴力
法律により、配偶者間の場合も含め、暴力を用いた女性に対するあらゆる形の強姦が犯罪とされており、政府は全般的に、この法律を効果的に執行した。法律により、「強姦」は「暴行または脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫すること」と定義されている。検察側は、性交が強姦と認められるには、強制力の行使および/または被害者が物理的に抵抗した証拠が必要であると解釈してきた。警察庁の統計によると、2012年に報告された女性と少女に対する強姦事件の数は1240件で、当局は、554人の被疑者を起訴した。6月には、2012年に、強制わいせつ事件の被害者女性の個人情報が、地方検察庁から弁護人を通じて被疑者に伝わっていたという報道があった。
女性に対する配偶者からの暴力は法律で禁止されているが、依然として問題であった。警察庁の統計によれば、2012年に報告された配偶者からの暴力の件数は4万3950件で、女性が全被害者の94.6%以上を占めた。
10月3日、電子メールによる嫌がらせを禁止する「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律」が施行された。10月8日、以前の交際相手からストーカー行為を受けていた女子高校生が、警察にストーカー被害を相談した数時間後に、この交際相手に殺害された。これを受けて警察庁は、ストーカー規制のあり方に関する有識者会議を設置した。
「慰安婦」(第2次世界大戦中に性的目的のために売買された女性)問題への対応の要求が続いたことから、政府は過去の謝罪と金銭的支援の提供についての主張を続けた。
セクハラ
法律ではセクハラを犯罪と規定していないが、セクハラ防止を怠った企業を特定する措置が規定されており、都道府県労働局および厚生労働省はこれらの企業に対し、助言、指導、勧告を与える。政府の指針を順守しない企業名は公表できるが、政府関係者によると、これまでその必要はなかった。しかし、職場におけるセクハラはまだ広範囲に見られ、2012年4月から2013年3月までに、都道府県の労働局雇用均等室の政府ホットラインが受けたセクハラの相談件数は9981件に上り、そのうち58.5%が女性労働者からの相談だったという報告があった。6月21日、日本労働組合総連合会は、女性従業員の約19%が職場でのセクハラを含む嫌がらせを経験しているが、そのほとんどが苦情の申し出や相談を行っていないという調査結果を発表した。都道府県の労働局雇用均等室の政府ホットラインは、セクハラに関する相談に対処し、可能な場合は紛争を調停する。
・・・
子ども
・・・
児童虐待
児童虐待の報告件数は増加を続けた。2012年4月から2013年3月までの間に各地の児童相談所が対応した、親あるいは保護者による児童虐待の報告件数は6万6807件であり、前年から増加した。警察庁によると、1月から6月までの間に、221件の児童虐待の事例で227人の逮捕者が出た。件数および被疑者の人数ともに約10%の上昇となった。親や保護者による虐待によって死亡した児童は11人だった。
法律により、児童福祉職員には、虐待する親が子どもと面会すること、あるいは連絡を取ることを禁止する権限が与えられている。また法律により、しつけの名目での虐待が禁じられているほか、疑わしい状況に気づいた者は誰であろうと、各地の児童相談所または地方自治体の福祉事務所に通知することが義務付けられている。厚生労働省は、児童虐待の報告件数の増大には、この問題に対する国民の意識の高まりがあるとした。状況を改善するため、地方自治体は、児童福祉職員に対し、虐待が疑われる親または保護者を面接し、必要に応じて支援を提供することを義務付けた。警察は、必要に応じて、より多くの現職または退職した警察官を児童相談所へ派遣した。
強制婚および早婚
法律は、婚姻適齢について、男性は18歳以上、女性は16歳以上と規定している。20歳未満の者は、少なくとも両親のいずれかの同意がなければ結婚できない。厚生労働省が2012年にまとめたデータによると、19歳以下の年齢で結婚する男性および女性の比率は、それぞれ全体の1.6%および3.6%であった。
子どもの性的搾取
児童買春は違法であり、児童買春をした成人は5年以下の懲役もしくは300万円(約3万1000ドル)以下の罰金、あっせん業者は7年以下の懲役および1000万円(10万2000ドル)以下の罰金に処せられる。当局は効果的にこの法律を執行した。それにもかかわらず、引き続き行われている「援助交際」や、出会い系、ソーシャル・ネットワーキング、「デリバリー・ヘルス」などのウェブサイトの存在が児童買春を助長した。
法定強姦に関する法律があり、同意の有無にかかわらず13歳未満の少女との性交は犯罪である。また法律や条例により、18歳未満の児童に対するわいせつな行為は禁止されている。法定強姦をした者は2年以上の懲役に処せられ、法律は執行された。
日本は依然として、児童ポルノの製造および取引の国際的な拠点であった。
(当ブログのコメント)---
CNN:児童ポルノ所持にも罰則、改正児童ポルノ禁止法が成立
「米国務省は、2013年に発表した日本の人権に関する報告書の中で、日本を「児童ポルノの制作・販売の国際的中心地」と位置付けている。」
この報告書には、「中心地」などとは記載されていない。
(コメントおわり)---
児童ポルノの商用化は違法であり、3年以下の懲役もしくは300万円(約3万1000ドル)以下の罰金に処せられる。警察は2013年、この犯罪の厳重な取り締まりを続けた。児童ポルノは幼い子どもに対する残酷な性的虐待を描写している場合が多く、その配布は違法だが、法律は児童ポルノの単純所持を処罰化していない。このため法律の効果的な執行や、この分野における国際的な法執行への全面的な参加に向けた警察の取り組みが引き続き妨げられている。警察の報告によれば、2012年の児童ポルノの捜査件数は過去最高の1596件であり、
1264人の子どもが被害者となった。これは、2011年と比べ、捜査件数で9.7%、被害者数で98%の増加であった。
(当ブログのコメント:この被害者数のデータは誤り。以降のコメントで正確な数値を示す)。
(当ブログのコメント)----
【児童ポルノ単純製造罪が見かけ上増えた理由】
なお、児童ポルノ犯罪の全被害者数は以下のグラフのように推移してきました。
(ソース:警察庁の統計サイトの統計データ「平成24年中における少年の補導及び保護の概況」による)
このうち、2013年の被害児童の、児童ポルノの製造方法による内訳は以下の円グラフです。
自画撮りの(被害)児童は、現時点では、多くの(被害)児童は製造罪では逮捕されていませんが、児童ポルノ規制法を文言通り解釈すれば、逮捕の対象です。
(コメントおわり)---
性描写が露骨なアニメ、マンガ、ゲームには暴力的な性的虐待や子どもの強姦を描写するものもあるが、日本の法律は、こうしたアニメ、マンガ、ゲームを自由に入手できるという問題に対処していない。警察庁は引き続き、これらのアニメ映像と子どもへの性的虐待の関連性は証明されていないと主張したが、子どもに対する性的虐待を容認するように見える文化が子どもに害を及ぼすと示唆する専門家もいた。
国務省の「人身売買年次報告書」(www.state.gov/j/tip)を参照。
・・・
(当ブログのコメント)
以下の科学的研究結果を読むと、性表現を規制すると、未成年の強姦が増すように思われます。
(ハワイ大学 Milton Diamond, Ph.D., et al., International Journal of Law and Psychiatry 22(1): 1-22. 1999)日本の性犯罪は以下のグラフのように推移してきました。
ポルノを許容する国は性犯罪が増えるかもしれないという懸念や、ポルノを許容したら青少年が悪影響を受けるか、あるいは、社会が何か悪い影響を受けるかもしれないという懸念は、立証されていません。
我々のデータから、明らかに、日本では利用可能なポルノの大幅増加は性犯罪の劇的な減少と相関している。特に、若者の加害者と被害者との間の性犯罪の劇的減少が顕著。
最近の日本の12歳以下少女の強姦被害件数の推移は以下のグラフの通りです。
(上のグラフのデータのソースは、平成18年版犯罪白書の5-1-5-1表と、平成23年版の犯罪白書の5-1-6-1表)
幼少児童の性犯罪被害については、外部要因による顕著な影響は、1963年からのアニメの普及以降に大幅に減少したこと、1970年に性表現マンガを規制したら犯罪が増えたという大局的な変化以外には、大きな変化は見られない。
あえて見るなら、1996年の児童ポルノ規制の国際会議以降のマンガの性表現規制の強化により幼少児童の性犯罪被害も少し増して、2003年頃の携帯インターネットの急増につれて性犯罪が減少したように見えます。
また、携帯フィルタリングを開始したら幼少児童の性犯罪被害が増えたように見えます。
一方、スウェーデンと世界全体における性の規制と表現の規制の歴史を書き加えた、スウェーデンの性犯罪件数の推移のグラフは以下のグラフになります。
1969:スウェーデンでポルノ解禁
1977:米国郵政監視機関が児童ポルノ捜査を開始
1984:アメリカ「連邦児童保護法」で逮捕開始
1986:アメリカ議会の委員会が「児童ポルノ普及」を調査
1992:児童ポルノグラフィーの防止に関する国際連合人権委員会行動計画
1993:インターポールが児童ポルノの国際捜査開始
1996年の衝撃的なデュトゥルー事件以降児童ポルノ摘発が活発化
1999:スウェーデンで児童ポルノ単純所持違法化
2000:米国のインターネットポルノ会社のランドスライド社を逮捕
2005:スウェーデンで児童ポルノブロッキング開始(注)強姦の定義を拡大
2007:警察が『児童ポルノに関係する』と特定した組織へ銀行が送金を止める施策(ネット画像へのアクセス阻止の効果が大きい)を開始。
上のスウェーデンの性犯罪統計グラフを見ると、
スウェーデンでは、ポルノを規制すればするほど、性犯罪が増えて来たように見えます。
特に、児童ポルノブロッキングを開始してからが、特に酷い。
2012:スウェーデン警察当局「漫画では無い本物の児童ポルノを取り締まりたい」。最高裁で児童ポルノ漫画無罪判決
スウェーデンのこの最高裁の判決(2012年6月15日)は、スウェーデンの警察当局の「本物の児童ポルノだけを取り締まりたい」という要望を是認するものです。
そのため、スウェーデンの警察当局は、「本物の児童ポルノだけ」を取り締まるようになると考えます。
(仮説)そのように警察当局の取締り方針が定まったなら、その方向性だけでも、スウェーデンの強姦犯罪を減らす効果があるのではないかと私は仮定しました。
この私の仮説は、2012年のスウェーデンの強姦犯罪件数が2011年よりも減少したので、検証されました。
スウェーデンが漫画を児童ポルノ規制から除外したことで、今後、スウェーデンでは強姦犯罪が減少し続けると考えます。
スウェーデンの強姦犯罪の原因は表現規制だと考える。
スウェーデンの庶民の生活は安定しているので、強姦犯罪の原因は経済的な理由では無いと考えるからです。
スウェーデン国内の移民の貧困問題もあるが、それは経済問題ではあるが、生きていけなくなるほどのひどい貧困では無いと考える。貧乏でも、心がしっかりしていれば健康に育つことができると考える。
強姦犯罪を犯すのは、思春期の自己を律することができるかどうかの心の問題であると考える。
その心の健康は表現を規制することでは得られない事がスウェーデンの事例で示されたと考える。
今後、スウェーデンは表現規制を緩和し、それにともない強姦犯罪が減少していくと予測する。
0 件のコメント:
コメントを投稿