2014年4月20日日曜日

創作物が生み出される活力の源

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日本のアニメやマンガに人気がある(クールジャパン)
の秘密について、
以下のページで、
専門家の意見を集めて考えてみます。

(ただし、天才たちの創作の秘密は、世界の学者たちが永年探って来た永遠の秘密なので、その一部の真実を、間違いを最小限にして記録できれば、それだけで十分な達成点とします。) 

先ず、日本のアニメやマンガの人気の基礎の一番大切な部分は、表現の自由の風土だと思いますので、
表現の自由と、
創作物が生み出される活力との間の関係について
考えてみます。

によると、
(7)非行少年は、「将来のために今の楽しみをがまんするのは、ばかげている」とは考えない禁欲的傾向が顕著。

(6)非行少年は、「暴力がはびこるのは大人がだらしないからだ」とは考えず、非行の原因を自己責任と考える傾向が顕著。

 大人社会の責任で生み出された非行少年ほど、自己の非行の原因を大人社会のせいにできず、また、虐げられている現状を否定することができない弱い心を持つように思われる。

 非行少年は、禁欲的であり、現状も否定できない弱い心ゆえに葛藤が多いので、その葛藤が爆発して非行行為が生じるように思う。

 携帯フィルタリングによる抑圧は、青少年を禁欲的にし、その禁欲による葛藤を爆発させることで、少年を非行に走らせていると考えられます。
http://sightfree.blogspot.jp/2010/10/blog-post_31.html

 愛知県が、2013年7月から、親が子供の携帯電話のフィルタリングをしない場合に「理由書の提出」を義務化しフィルタリングを強化しました。その愛知県では:
2013年の1月から11月の強姦犯少年の検挙人数は、2012年の同時期に比べて、7人/3人で、2.3倍に急増しました。
 愛知県の2013年の1月から11月の強制わいせつ犯少年の検挙人数は、2012年の同時期に比べて、15人/7人で、2.24倍に急増しました。


(ハワイ大学 Milton Diamond, Ph.D., et al., International Journal of Law and Psychiatry 22(1): 1-22. 1999)
 ポルノを許容する国は性犯罪が増えるかもしれないという懸念や、ポルノを許容したら青少年が悪影響を受けるか、あるいは、社会が何か悪い影響を受けるかもしれないという懸念は、立証されていません。
 我々のデータから、明らかに、日本では利用可能なポルノの大幅増加は性犯罪の劇的な減少と相関している。特に、若者の加害者と被害者との間の性犯罪の劇的減少が顕著。
 「青少年の健全育成のために」という「善意」の下に働けば「必ず良くなる」という夢を持つ事が悪いとは言いません。しかし、本気で、真面目に、青少年のためを思う人は、人の、特に知恵者の意見や助言を真摯に受け止めると思います。
 「青少年のため」と言う人で、もし、その人の行動に、反対意見に回答しようとする真摯さが無ければ、そして、「話が通じない」「考えない」でただ、信念 で決めた事を実行するだけを優先しているなら、その人はとても真摯に青少年のためを思ってはいない「自分のパフォーマンスを人に見せるネタに青少年を利用 しているだけ」と思います。


http://sightfree.blogspot.jp/2010/11/1700.html
(韓国では1997年の青少年保護法の制定で、漫画の表現を大幅に制限した以降に、性犯罪が(自殺率も)急増しました)



 青少年保護のためにわいせつ出版物を規律する法律が憲法に違反しないかどうかついては、 憲法学者の奥平が、以下のように述べている。


『青少年保護条例・公安条例』(奥平康弘)1981年 学陽書房ISBN 9784313220072 参照。

日本国憲法は、青少年も含め、年齢のいかんを問わず、全ての日本国民に基本的人権を保障している。
(1)そのため、青少年保護育成条例が表現の自由を制限することが憲法に違反する問題が生じる余地がある。
(2)青少年保護育成条例が青少年保護のためにわいせつ出版物を制限することは、合理的な基礎づけがある場合に限って合憲となる余地がある。
(3)表現の自由を制限する法律は、単に合理的な根拠があるだけでは合憲とはならない。もっときびしい要件を充足しなければ合憲とはいえない
しかし、青少年に限っては、有害物から保護されることが許されるべきであり、合理的に必要なかぎりで、こどもにとって有害なものから保護することが許される


 第3回京都学園大学臨床心理学セミナー  2008年8月30日
非行少年や犯罪者から学ぶ子ども時代に大切なこと
 奈良少年刑務所 教育専門官 竹下三隆 氏
 (臨床心理士)

人間は、汗をかいたら水が欲しくなるように、甘いものを食べた後には辛いものがおいしく思えるように身体と同じように心もどこかでバランスを取ろうとするのだと思います。
激しい抑圧は激しい爆発でバランスを取ろうとします。非行や犯罪も抑圧された心のバランスを取ろうとした行動であることも多いと思います。
非行や犯罪でバランスを取らないように日常的にバランスを取った生活をすることが大切なのだと思います。
わかりやすく言えば、ガス抜きをすることやガスをためないようにすることだと思います。気持ちをコントロールできなかったことを責めるだけでは、非行や犯罪はなくなっていかないと思います。

 我慢できているということと抑圧されているというということとは全然違うのです。
「我慢」はそれが解放されることがあって初めて我慢する力がつくのだと思います。たとえば、おなかがすいても給食時間までは我慢するということです。
それに比べて「抑圧」は自分の気持ちを抑えつけた状態ですので、自分をコントロールする力はつかないのです。
 たとえば、わがままを抑圧している人がときどきとんでもない自分勝手なことをしてしまうのがそれだと思います。
私たちは、「我慢」なのか「抑圧」なのかをしっかり見極めることが大切なのだと思います。
 

  女性に痴漢行為をして捕まった50歳過ぎの男性がいるのですが、小さい頃からテレビで少しでもエッチなシーンがあると、お母さんがプチッとスイッチを切っていたということです。つまり、母親に性的なことを過度に抑圧されて生きてきたのです。
(過度にフィルタリングされていた)
性的なことを抑圧されたために女の子に過敏に反応し、女の子の前では緊張してしまい少しも話せなかったらしいのです。
国立大学を出て大手のメーカーに就職しても、女の人とうまく話せない。それで激しいバランスとりの行動に出て、街で女の人に片っ端から声をかけたりもしてみたらしいです。その後、痴漢行為で一回捕まりました。そしてまた再びやってしまいました。
小さいころの抑圧がずっと後々までその人の行動に影響を与え続けている例だと思います。


 愛されたいという気持ちが傷つけられ阻害されることが非行や犯罪に至る人たちに共通していることだと申し上げましたが、
 それと同様に共通しているのは、人に自分の気持ちを素直に伝えられないということです。
自分の気持ちを正直に出せないから人と人との関係を十分に楽しめないのです。

 少年院の子らの中には離婚家庭の子がいたりするのですが、そういった子は、お母さんが頑張っている姿を見て、お母さんにわがまま言ってはいけないと小さい頃から頑張っている子が多いんです。そうやってがんばりきれなくなって非行や犯罪に走ってしまった子がいっぱいいます。
いわば、ためこんでためこんで爆発させたのだと思います。だから私は彼らにこう言います。「大迷惑をかけないために小迷惑をかけなさい。大きな世話をかけないために小世話にならなきゃいけない。大きくキレないために小ギレなきゃいけないのやで」と。


少年院の子の方が我慢しているということだと思います。
 

 これらだけでもわかりますよね、彼らの力んだ生き方、無理した生き方が
 

 つまり、心の裏側を抑圧して溜めていたんです。
母という道徳観の固まりみたいな人から自然に影響され、私も道徳観が強くなりモヤモヤが大きく膨らんでしまいました。
憎しみとかも同じです。抑圧すればするほど反動は大きかった。
道徳の裏にある抑圧に気づいたのは、一気に爆発したあと、すなわち人の命を奪ったあとでした。
 

A.しつけはいい習慣を作ってくれることがありますので、しつけを全て否定はできないと思いますが、抑圧になることが多々あります。「してはいけない」と言われればしたくなるのです。正しいことを教えれば教えるほど不正をしたくなるのです。


【考察】
 犯罪少年が生み出された(犯罪を犯させた)原因の因子が2つあり、
(1)愛されたいという気持ちが傷つけられ阻害されることが非行や犯罪に至る人たちに共通している。
(2)人に自分の気持ちを素直に伝えられないということが共通している。
 つまり、自分の気持ちを正直に出せないから人と人との関係を十分に楽しめないこと。


(1)については、既に起きてしまった事ですが、
 その後でも、愛されたいという気持ちが満足される人間との関係を作ることで解決し得る。特に、宗教的な癒しの場を得ることで解決され得ると考えます。
(2)については、後でも、人とのコミュニケーションの技術の学習によって改善できると考えます。特に、自らが創作物を作って、コミュニケーションの実践のシミュレーションよって、速い改善が得られると考えます。

 宗教が(1)の改善によって人の心を落ち着かせますが、
 宗教以外では(2)の改善によって人が救われ得ると考えます。

 マンガ等の創作活動は、非行の原因のストレスが加えられた人を、(2)の手段によって救うと考えます。
 表現の自由な風土では、(2)の手段により救われる人が増えると考えます。私は、日本では、その(2)のためのマンガ創作活動が、マンガ創作のエネルギー源になり得ると考えます。

 創作活動は金さえ積めば良い作品ができるか?
この問は、天才は金さえ積めば生み出されるか?という問と類似の問と考えます。
 この答えは、天才は個性であって、金で生み出されるわけでは無いが、金の支援があれば、天才の活動を支援することができる。
 それと同様に、創作を生み出す個性は金で生むものでは無く、金は創作できる個性の活動を支援するものと考えます。


リンク:
マンガを規制すると13歳以下の少年による強姦犯罪が増す
東京都の少年非行の推移(13歳以下の刑法犯罪が急増)
アニメやインターネットが少年非行(恐喝)を減少させたかも
東京都の強姦犯罪件数
スウェーデンの表現規制
群馬県でも携帯フィルタリングを開始したら少年による強姦が増えた
神奈川県でも携帯フィルタリングを開始したら少年による強姦が増えた
ポルノの大幅増加が性犯罪の劇的な減少と相関関係がある。特に青少年の間の性犯罪において顕著。
創作表現による児童ポルノを合法化すると、子供への性的虐待が低下する(米研究)
山本弘さんのMIXI掲載の論証
長野県で13歳以下少年非行が改善されつつある

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