2011年7月31日日曜日

児童ポルノの単純所持罪は治安維持法に類似

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現行の児童ポルノ法では、
既に、性欲を刺激する写真・映像の販売、提供目的の所持を禁じているが、
 改悪案はその所持の罪の定義を更に進めて、販売・提供などの目的が無い所持(単純所持)でも罪にするものです。

単純所持罪を定める条文は、以下の条文です。
「何人もみだりに児童ポルノを所持、保管してはならない」
「性的好奇心を満たす目的で所持した場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金」

怪しい児童ポルノ規制法案のサイトから転載
>>>>>ここから>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
(児童ポルノ単純所持規制法案と治安維持法との類似点
また、「単純所持規制法案」は、
児童ポルノの所持を現行犯と定義し逮捕令状無しでの逮捕を可能にするので、使い方治安維持法と同じだと思います。

すなわち、児童ポルノ規制法には、
>「性的な刺激を与えて興奮させること」
という条項があります。

単純所持を違法化するということは、
単純所持を現行犯とすることであって、
現行犯は、通常の犯人逮捕の場合と異なって、
裁判所の逮捕令状の発行を条件としないで、
犯人を直接逮捕できる法案です。

同じ法律は過去にもあって、
治安維持法が
裁判所のチェックを外して犯人を逮捕しました。

治安維持法は、犯罪の理由を政治思想としましたので、
犯人の自白が必ず「証拠」として必要になりました。
児童ポルノの単純所持違法化法案も、
「性的な好み」
を犯罪の理由としているようですので、
治安維持法と同じで、「犯人の自白」が犯罪の「証拠」として必須になると思います。

「犯人の自白」を、刑事犯の証拠にした治安維持法は、
思想を取り締まるので、冤罪を生まないよう、
厳密な取り調べで犯人かそうで無いかの区分けをしたようですが、
それでも、かなり冤罪が多かったと聞いています。
児童ポルノの単純所持違法化法案も
治安維持法と同じ道を歩むと思いますので
反対です。

「思想検事」(岩波新書)「荻野富士夫 著」
に、治安維持法が詳しく書いてありました。

(207ページ)
>治安維持法の特徴は、単に法的な処罰だけでなく、
>より広く社会的な処罰ないし威嚇としても機能したことにあった。
・・・
>国法にふれたという嫌疑をかけられるということは、
>倫理的には悪人、ひとでなし、信仰上からは罪人、
>非国民、はなはだしい場合、公敵、売国奴になってしまう。

児童ポルノの場合、痴漢冤罪と同様、社会的名誉や地位をなくすだろうと思われます。
児童ポルノを所持している=変態、変質者と社会から見られますから。

このように、児童ポルノ単純所持規制法案は、この治安維持法の効果と同じ影響があるので、
こういう点でも、
児童ポルノ単純所持規制法案と治安維持法は機能が似ています。
 

このように「単純所持規制法案」と使い方が同じになった治安維持法は、
寿命がとても長かったことが特徴でした。
1880年に「集会条例」という名前で始まった治安維持法は、
結局、国家が転覆する1945年まで、65年間続きました。

しかも、無条件全面降伏したハズなのに、日本政府は、占領軍に逆らってまで、治安維持法を維持したいと抵抗をしたそうです。

弾圧法は、国家の悪事であるため、国民の復讐を恐れたのではないかと思います。
国民の復讐を恐れるというような悪法は、一旦成立すると、
国家が破たんするまで取り下げられることは無いように思います。

そういう悪法は成立させてはいけないと思います。

治安維持法の前身の「集会条例」に類似する規定もあるようですので、
児童ポルノ単純所持違法化法案などの、治安維持法と同じく
裁判所のチェックを外して逮捕するという、令状主義に反する法案には気をつける必要があると思います。

・・・
単純所持規制法を作って、現行犯の罪(裁判所の逮捕令状が無くても簡単に逮捕)にできる
罪の定義を増やすとなると、
警察と国民の軋轢が増大すると思います。

今の日本の公安警察は、戦前の治安維持法の実行部隊をそのまま引き継いでいるそうです。
警察には、今も、戦前の治安維持法を再現しようとする勢力が根強くあるそうです。
今も、戦前の治安維持法を引き継いだ憲法違反の治安律法が多数あり、
それらが戦前の治安維持法のように実施されていない理由は、ただ、

それ(治安維持法)に反対する多くの市民運動の存在だけが、
治安維持法の実施を抑えている、
きわどいバランスに日本があるようです。

「思想検事」(岩波新書)210ページに、以下のように書いてありました。
>だが、この治安体制の継承によってただちに戦前の状況が再現されるわけではない。
>それを許さなかったのは、破防法反対運動、そして60年安保闘争とつづく
>大衆運動の高まりであったし、
>いまも、かたちを変えつつ、ねばりづよく展開されるさまざまな市民運動である。
>つまりは戦後の民主主義の存在であり、
>それこそが戦前の再現を防ぐ最大の保障なのである。

現在の日本は、このように際どいバランスにあるようです。

安心な社会というのは、個々人の起こす問題を少なくする事と、
政治権力の起こす問題とを少なくすることで実現すると思います。
安心な社会を維持するために、
危険な「戦前の治安維持法」の実施と同様な体制を招かない事が
先ず第1に優先されると思います。
 



単純所持規制法案の成立の結果、空港でのこの検査をアメリカやオーストラリアが実施していますが、
アメリカがパソコンのメモリの個人ファイルをコピーしてじっくり調べる制度も現実的になってきた、
という歴史的教訓があると思うので、単純所持法案には問題が多いと思います。
 

また、この単純所持規制法案を基礎にしたその言論統制社会が完全に実現するその前に、
アニメーションやマンガの表現における、児童と性との関係に言及した表現が取り締まられる、ことが確実視されています。
これの方が、より身近に迫った問題と考えます。
この単純所持規制法案の直接的な適用により、
アニメーションやマンガのアイデアの創作過程でのスケッチ(下書き)も、
また、調査のため集めた画像も規制の対象になると考えられます。


アメリカでは、以下のような運用がされているので要注意です。。

-----引用はじめ--------------------
2003年には
ザ・フーのギタリストであるピート・タウンゼントが児童ポルノのサイトに接続したとして
性犯罪者リストに登録されてしまったが、
彼は幼い頃虐待を受けておりその著書のための下調べという事情もあったが、それであっても逮捕された。


なお、アメリカでは、創作物を児童ポルノ法によって規制したCPPAが、
表現の自由に反するとして、2002年に、連邦最高裁より違憲判決を受けている。
-----引用おわり-------------
また、米最高裁は2004年6月29日、
ネット上のポルノ規制を定めた児童オンライン保護法(Child Online Protection Act:COPA)が
表現の自由を認めた憲法に違反し、無効であるとの判決を下した。
 



【児童ポルノ法改正案の要旨  趣味で持っても懲役刑】
与党(自民・公明党)の児童買春・ポルノ禁止法改正案要旨は次の通り。

一、何人もみだりに児童ポルノを所持し、保管してはならない。

一、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持・保管した者は、
1年以下の懲役か100万円以下の罰金に処する。

一、インターネットプロバイダー(接続業者)は、
児童ポルノ被害がインターネットの利用で容易に拡大することにかんがみ、
捜査機関への協力や被害拡大を防止する措置を講ずるよう努める。

一、(付則)児童ポルノに類する漫画やアニメなどの規制と、
インターネットを利用した児童ポルノの閲覧を制限する措置は
(1)法改正後の施行状況
(2)児童の権利擁護に関する国際的動向
(3)関連する調査研究と技術開発の状況
-などを勘案しつつ検討、その結果に基づいて必要な措置を講ずる

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律

第二条 
3 この法律において「児童ポルノ」とは
写真、電磁的記録
(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録
であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)
に係る記録媒体その他の物であって、
次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を
視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。

一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態

二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって
性欲を興奮させ又は刺激するもの

三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって
性欲を興奮させ又は刺激するもの


(ランナーのコメント1)
児童すなわち高校生が水着姿で性欲を刺激する画像を友人の高校生が持っていたら、
その友人の高校生は(被写体の高校生の意思にかかわらず)逮捕される
という内容がある(毒薬の味がする)法案ですよね。

彼氏に自分のヌードを送った女子高生本人も逮捕される法案ですよね。

あるいは、今は結婚している奥さんの高校時代の水着姿の写真を
家のどこかに所持していることが家宅捜索
で発見されたら、
その家の主人が逮捕されるという法案ですよね。

これは、中国の言論統制と同様ですよね。


(ランナーのコメント2)この法案には、インターネットを規制するために、
児童をネタにしてインターネット規制法案を作りたいという思惑が混入されている。
我々国民と産業界は、少しづつ言論統制という毒薬を飲ませられているのではないかと恐れます。

このような法案では無く、児童のプラバシーが性的にさらされて傷つけられることを防止する、
明確に存在する児童の被害者を救済する法案に変えて頂きたいと思います。

以下のサイトがこの問題に詳しい:
"創作物規制…表現の自由や言論の自由を奪う可能性が非常に高い。
日本文化や経済を衰退させる可能性すらある。"


以下、これじゃただの猥褻法案  2008--05--16 (Fri) 22:02
の続きです。

性的好奇心を満たす目的で所持した場合って自分で判断できるんですか?
条文では客観的に判断されるんですけど、
単純所持では性的好奇心を満たす目的で所持したわけではないといって言い逃れできるんですか?
そんなバカな(笑)

性的好奇心を満たす目的で所持じゃなくても逮捕はできる

性的好奇心を満たす目的で所持して罪になる、ならないが決定されるのだとしたら、
その所持自体が児童にとって、危険なものかどうか証明しなければなりませんよね?

規制推進派は持ってるだけで被害者の心を傷つけるとおっしゃってますが、
ならば性的好奇心を満たす目的で所持していなければ罪にならないというのはどう考えてもおかしいです。

だって持ってるだけで被害者の心は傷つけるんですよね?
ちなみにメールで送られた場合も同様ですよ。
これは知らないと言ったって、持ってるだけで傷つくのなら、
故意だろうと関係ありませんよね?

持ってるだけで被害者が傷つくというのを規制の根拠にしてるなら、
例外なく所持を規制にしないといけません。

性的好奇心を満たす目的で所持していなければ罪にならないと決めた時点で、
被害者の救済ではなくその児童ポルノの撲滅を目的としているのがまる分かりです

被害者は、「性的好奇心を満たす目的じゃない、
たとえば虐待の研究を行うために所持する」と言って加害者が所持を許可された場合、
それで納得するのでしょうか?

被害者にとってみれば、
画像を所持されているその事実が恐怖なわけでして、
性的好奇心を満たす、満たさないは関係ないはずです。

「あ、性的好奇心を満たす目的で所持してるわけじゃないから」
で言い逃れて罪にならないとしたら納得するのでしょうか?

納得する、しないで罪というのは決められるわけではないとおっしゃるのなら、
画像を所持していると被害者の心が傷つくという根拠そのものが揺らぐことになります。
まさにこの法律は被害者の精神を根拠にしているのですから。

>インターネットの急速な普及で、
>国境を越えて児童ポルノ画像がまん延している状況に歯止めをかけるため、
>インターネットのプロバイダー(接続業者)にも児童ポルノ画像の拡散を防止し、
>捜査機関に協力する「努力義務」を盛り込んだ。

これって公然わいせつ罪ですよね?
所持で流通が拡大するとおっしゃるのならば、
性的好奇心を満たす目的で所持していなくても罪にしなければいけませんよ?
だって流通は性的好奇心なんか関係ありませんから。

単純所持罰則と性的好奇心を満たす目的で所持というのは、
以上の理由により根拠そのものが破綻していますので反対です。

>>>>>>ここまで>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

リンク:
自民党と公明党の児童ポルノ単純所持罪推進

日本のネオ軍国主義(安部自民党)
京都府では児童ポルノ犯が増えていない

児童ポルノ犯人は増えていなさそうです
児童ポルノ規制法案関係リンク集
児童ポルノ単純所持罪がえん罪を生むしくみと背景
児童ポルノ規制法の単純所持罪は性犯罪を増す逆効果
児童ポルノ規制法案の経緯

治安維持法とゲーム規制
児ポ法改悪「与党(自民・公明党)案」は表現物に対する治安維持法でした!
徹底検証「児童ポルノ禁止法改正案」の危うい中身
児童ポルノ規制推進で生じる、更なる「鑑定」の脅威と令状主義の危機

韓国の表現規制




(別ページの重要ニュース速報)

国際機関をも黙らせる圧力
 最後に、アグリビジネスが世界の学界やマスメディアに及ぼす力に触れておこう。
彼らは自分たちへの批判に異常なまでの敵意を見せる。
遺伝子組み換え作物の安全性については、反対論や慎重論を政治的圧力で押さえ込む上に、
豊富な軍資金で言論も左右する。

  二〇〇一年、英国の科学雑誌「ネイチャー」に、遺伝子組み換え作物がメキシコの在来種にいかに悪影響を及ぼしているかを調べた論文が掲載された。

その直 後、研究者向けに、「論文はでたらめ」という数千の中傷メールが送られた。
メールの猛攻撃で「ネイチャー」はパニックに陥り、翌年の号で論文を取り消して しまった。
その後、メールはモンサント社が雇ったPR会社の作成だったことが判明した。
事件を暴いたジャーナリスト、ジョナサン・マシューズ氏は「連中に はひとかけらの倫理もない」と憤った。
 上の写真は、「モンサント社トウモロコシと発がん性に関連、マウス実験、フランス政府が調査依頼」の記事から借用。

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